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千代女の謎

俳文学者村松友次の千代尼評価を教えて(下)

 その人柄もまた謙虚であった。<釣竿の糸にさはるや夏の月><朝顔に釣瓶とられてもらひ水><木からもののこぼるる音や秋の風><月の夜や石に出て啼きりぎりす> これらの句はみな対象がよく観察されており、また、その対象から受けた感じをすなおに詠んでいる。女性らしいやさしい心が感じられる。これらを理屈の句、観念の句とばかり呼ぶことはできない。千代尼よりも七歳年長でやはり女流俳人がいた。金沢の人で飯島珈凉(一六九六〜一七七一年)である。千代尼の出現も、この先人の存在によって可能でもあり容易でもあったであろう。 (俳文学会員・山根公)

 

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