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イノシシ柵 新名所に 国際キャンプ参加者が毎年ペイント

それぞれの手形を押した柵をPRする参加者

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小松・上麦口 地元との交流の証し

 のどかな田園風景が広がる小松市上麦口(かみむぎくち)町は、通称「かみままくち」と呼ばれる。国道360号を走ると、南側の林道沿いに延々と並ぶ色とりどりの柵が目に入る。国内外から同町を訪れる「国際ワークキャンプ」の参加者が田畑へのイノシシ侵入を防ぐ柵にペンキで絵を描いた作品で、町をPRする「新名所」として注目を集めている。国境を超えた交流の証しでもある。(竹内なぎ)

 キャンプはNPO法人「NICE」(東京都)が企画し、同町では二〇一三年から受け入れを始めた。過疎化が進み十八軒六十人の小さな町。主に町民十人ほどで十二日間の運営をする。世話人代表の川本喜明さん(59)は「若者が減って苦しい状態。町内だけでなく外の風を取り入れ、町を活性化したい」と語る。

 ペイントは、参加者の思いを形に残すアイデアとして一三年から続く恒例行事。住民によると、六年目を迎え、柵の全長は約五百メートルにもおよぶ。景観だけでなく、柵のさび防止にも効果があるという。

国道360号から見える色鮮やかなイノシシ柵のアートペイント=いずれも小松市上麦口町で

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 ペイントの範囲が延びるにつれ、注目度も高まってきた。「町外の人から『あの柵は何か』とよく聞かれるようになった」と話すのは、同じ世話人の中田衛さん(63)。そのたびに、キャンプで国際交流が盛んな町の魅力を伝える。「市の境で交通量も多い道。広く町を発信できるチャンス」と期待する。

 七日から滞在する五カ国の九人は、遠くからでも見える目立つ色合いで母国の国旗、名所の絵や「上麦口ファミリーになろう」のメッセージを描いたり、手形を押したり。十三日には三十五枚を完成させた。テーマは「ホームタウン」。トルコの大学生カーン・テクデミルさん(19)は「宗教の壁がなくなってほしい」との思いを込め、イスラム教の礼拝堂モスクを描いた。

 キャンプにはこれまで、十六カ国から五十四人が参加している。町民とは会員制交流サイト(SNS)などで交流が続いており、再び訪れる人もいるという。川本さんは「今後は町全体を巻き込んでいくのが課題」と次のステップを見据える。

 

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