トップ > 石川 > 9月9日の記事一覧 > 記事

ここから本文

石川

沈金 探究の足跡 輪島 三谷吾一さん追悼展

昇り竜が描かれたキリコの前で開かれた開会式で、あいさつをする三谷慎さん=いずれも輪島市の県輪島漆芸美術館で

写真

 卓越した沈金技術と豊かな色彩感覚で輪島塗業界をけん引した漆芸家・三谷吾一さん=享年九十八、輪島市河井町=の足跡をたどる追悼展「文化功労者 三谷吾一の世界〜時代を画す沈金加飾の探究者」が八日、輪島市の県輪島漆芸美術館で始まった。十一月五日までで、会期中は無休。

 三谷さんは、刃物で彫った文様に金粉など金属粉を詰める装飾技法「沈金」の職人として、二十二歳で独立。翌年に新文展(現・日展)に初入選した。

三谷吾一さんの卓越した技術や色彩感覚が感じられる作品が並ぶ会場

写真

 作家としてパール粉やエルジー粉などを用いた独自の表現を探求し、日展の特選や日本芸術院賞、中日文化賞などを受賞。二〇〇二年に日本芸術院会員、一五年に文化功労者に選ばれ、一七年七月に亡くなった。

 会場には、独立した一九四一年の新文展に初出品した「鰈(かれい)沈金漆筥」、代表作の一つ「潮風」など五十五点を展示。中日新聞北陸本社(金沢市)が所蔵する「空に舞う」など、三谷さんが長年モチーフとした鳥が描かれた作品も目を引く。

 特別展示として、三谷さんが描いた昇り竜が特徴的なキリコもエントランスホールに登場した。

 開場に先立ってあった開会式では、三谷さんの長男・慎さん(65)が「これだけの主要な作品が一堂に見られるのは、今後めったにないと思う。この機会に三谷吾一の作品にふれて味わってほしい」と来場を呼び掛けていた。 (関俊彦)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報