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小松で「ありがとう かこさとしさん」 絵本館ホール夢の本棚 思い伝える企画展

展示の準備をする松居直コレクションプロジェクトのメンバー=小松市の絵本館ホール夢の本棚で

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 五月に九十二歳で亡くなった福井県越前市出身の絵本作家、加古里子さんを追悼する「ありがとう かこさとしさん」展が四、五、十一、十二の四日間、小松市京町の絵本館ホール夢の本棚で開かれる。軍国少年として育った加古さんは敗戦後、子どもたちに自分の目で見て考える「生きる力」を育んでもらおうと、亡くなる直前まで創作活動を続けた。作品の展示などを通して、加古さんが絵本に込めた思いを紹介する。(白井春菜)

 いずれも初版から半世紀にわたって親しまれている代表作「だるまちゃんとてんぐちゃん」「だるまちゃんとかみなりちゃん」の版を重ねる際に、編集者が印刷のずれなどの指摘箇所を書き込んだ原本三点を公開。児童書出版社福音館書店(東京)の編集者として加古さんに絵本を描くように勧め、この二作などを担当した児童文学者松居直(ただし)さん(91)=東京都杉並区=宛てに、加古さんがお礼の言葉を記したサイン本や一緒に撮った写真も十点ほど展示する。

 ともに一九二六(大正十五)年生まれの二人は、軍国主義一色だった世の中や大人たちが敗戦により大きく転換するのを目の当たりにした経験から、戦後は「どう生きるか」を常に念頭に置き、一緒に作品づくりに情熱を注いだという。戦時中は飛行機乗りを目指していたという加古さんの「これからを生きていく子どもたちが、僕のような愚かなことをしないようにしたい」といった言葉も紹介する。

 展示は、妻が石川県出身の松居さんが小松市空とこども絵本館に寄せた蔵書を活用する市民団体「松居直コレクションプロジェクト(松コレ)」と同館が夏休みに合わせて企画。加古さんが松コレに贈った挿絵入り直筆色紙なども展示する。尾木沢響子館長(64)は「加古さんと松居さんが『生きる』という同じ方向を目指し、平和の印として作った絵本の軌跡に触れてほしい」と話している。

 開場時間は午前十時〜午後三時で入場無料。代表作の一つ「からすのパンやさん」に登場するさまざまな形のパン数種類を小松市内のパン店の協力で再現し、各日とも二十個限定で販売する予定。日本の伝承遊びをまとめた加古さんの著書にちなみ、昔ながらの遊びを体験するコーナーもある。(問)小松市空とこども絵本館0761(23)0033

 

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