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音と声を見極め攻守 ブラインドサッカー

視覚障害者だけでなく、健常者も楽しむブラインドサッカー=金沢市の健民スポレクプラザで

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 目を閉じて三歩、歩いてみよう。そしてイメージしてほしい。真っ暗で何も見えない芝生のサッカーフィールド。「シャカシャカ」と鳴るボールを蹴って走る。どっちにシュートすればいいんだろう。相手選手はどこにいるんだろう。

 フットサルを基にした、視覚障害者も健常者も楽しめる「ブラインドサッカー」。五人制で、二〇二〇年の東京パラリンピックの種目にもなっている。〇三年から開かれている日本選手権では、出場チームが第一回の四チームから昨年は十九チームにまで増えた。競技人口も増加し、現在は約四百人だ。

 「プレー中はお静かに」。競技は耳が頼り。フィールドプレーヤーは全員アイマスクを着用。守備がボールを奪いに行く時には、スペイン語で「行く」という意味の「ボイ」という言葉を発しなければならない。自分の位置を伝え、激しい接触を避けるためだ。PKやフリーキックでは、コーラー(ガイド)と呼ばれる目の見える選手が金属の棒でゴールポストやクロスバーをたたく。カンカンカン。こうすればキッカーがゴールの枠の位置を把握できる。

 健常者はゴールキーパーとコーラーのみ。キーパーは守備エリア内にボールがあるときに指示ができ、コーラーは相手ゴール裏にいてゴールまでの距離や角度を教える。名前を呼んで指示をするため、選手は短いニックネームをつけ合う。

 金沢市内に今春、北陸初のチーム「ツエーゲン金沢BFC」ができた。メンバーは十六人で、うち五人が視覚に障害がある。フィールドプレーヤー四人のうち最低一人が視覚障害者という地域リーグ参入の要件を満たすことから、来季からの参入を目指している。

 二十歳から徐々に目が見えなくなり、全盲となったチームメンバーの藤井清隆さん(53)=金沢市中央通町=は競技に出合った喜びを語る。「小中学校でサッカーをやっていた。目が見えなくなるまでワールドカップを見るのも好きだった。まさか、またサッカーができるとは」。振り抜いた右足の先に、描いた夢が見える。 (岡本真穂)

 

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