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探した 生きる力 金沢 日常生活支援サポートハウス

「共に暮らす中で、生きる力を身に付けてほしい」と語る山本実千代さん=金沢市内で

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障害、引きこもり… 支えた15年 本に

 障害や家庭崩壊、引きこもり−。生きづらさを抱え、居場所のない子どもや大人が一緒に暮らし、自立を目指す「日常生活支援サポートハウス」(サポハ、金沢市)の十五年半の歩みを記した本が先月、出版された。代表の山本実千代さん(57)が利用者とその人の困難に根気強く向き合い、支えてきた軌跡が刻まれている。(太田理英子)

 サポハは住宅街のごく普通の民家で開設している。家庭や学校で過ごせず、重複した問題を抱えるなどして公的支援の手からこぼれ落ちてしまった人らが山本さんと暮らす。山本さん自身、女手一つで知的障害児を育てる中、居場所の少なさや公的支援の限界を感じたことがあった。「欲しかった支援をつくれないか」と二〇〇二年、サポハを開いた。

 利用に煩雑な手続きはなく、必要な費用を払うだけ。掃除や入浴の仕方といった基本的な生活習慣や社会的ルールを身に付けてもらいながら、山本さんはその人に必要な支援を模索する。日々の様子から知的障害に気付き、診断と福祉サービスにつなげたことも。

 本で紹介されるのは、児童養護施設出身の少女や車中生活を送る母子、リストカットを繰り返す少女らと向き合った日々。子どもの多くは大人への不信感が強く、一筋縄でいかない。山本さんは相手と常に膝をつき合わせ、時に衝突しながらもまっすぐ言葉をぶつけてきた。「サポハは社会に出る前の小さな社会。自分で考え行動する練習をし、生きる力を身に付けてほしいんだよね」

 こうした活動に感銘を受け、東京都の小学校教諭林真未さん(53)が山本さんやサポハを卒業した子らに取材を重ね、「日常生活支援サポートハウスの奇跡」(東京シューレ出版、税抜き千六百円)にまとめた。

 サポハで過ごした人の中には、仕事や結婚と、新たな一歩を踏み出した人たちもいる。それぞれの成長が山本さんの原動力だ。山本さんは本の出版に、「問題を抱える当事者の自信と勇気につながるかも。支える人たちにとっても何かヒントになることがあれば」と期待を寄せる。

 

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