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先端大 志願者が急増 2年前の改革実り 2倍強に

(上)入学志願者が急増している北陸先端科学技術大学院大=石川県能美市で (下)「入学後に取り組みたい研究課題」の記入用紙。これを基に面接を進める

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 北陸先端科学技術大学院大(JAIST)=石川県能美市=の修士課程の入学志願者が、二年前の改革を機に急増している。今春の志願者は、改革前の二〇一五年春と比べ、二・一四倍に増え、六百人を超えた。入試倍率は理工系大学院ではかなり高倍率の二・二倍にまで上がった。学生の質も向上するなど改革の成果が早くも表れ始めている。(吉野淳一)

専攻分野 入学後に選択可能

入試は30分間の面接のみ 

 大学院入試を調べる大学入学情報図書館RENA(大阪市)によると、理工系で近年、ここまで急激に志願者が増えた例はない。文部科学省の統計では、理工系の修士課程の平均入試倍率は一・四倍前後で推移している(一三〜一七年)。JAISTによると、理工系の修士課程で、入試倍率が二倍を超える大学院は数えるほどしかない。

 改革で一六年度に、知識科学、情報科学、マテリアルサイエンスの三研究科を統合し、講義も、指導教員も全分野から自由に選べるようにした。松沢照男副学長(69)は「入学時に専攻分野を決めさせず、選んだ授業次第で、三つのうち、希望の学位を取れる珍しい制度」と話す。

 分野を超えた研究を狙うとともに、進路に悩む大学生の実情を考慮した。松沢副学長は「大学生の多くは、入りたいというより、偏差値で入れる大学を選んでおり、希望する勉強ができた学生は多くない。そもそも卒業までに自分の目標を探すのは難しい」と説明する。「JAISTでは入学後にやりたいことを選んでもいい。別世界が開くかも」。事実、改革後に入学した学生の大半が「大学とは違う分野を学びたかった」と志願理由を話すという。

 一九九〇年の開学以来続く入試方法が、改革との相乗効果を生んでいる。入試は三十分間の面接のみ。入学後に取り組みたい研究を発表させた後、質疑応答する。RENAの担当者は「全ての志願者の入試を面接だけで行うのは聞いたことがない」と話す。

 「面接では意欲を重視する」と松沢副学長。「意欲ある学生は、受け売りでなく、自分の言葉で研究テーマを語る。質問すれば学生の力はある程度分かる」という。理工系の大学院は筆記試験が高度に専門的なため、進学を諦め就職してしまう学生が少なくない。JAISTはそんな学生の受け皿にもなっている。

 改革後、授業科目のテストの平均点が改革前より全体的に上がった。修了単位に含まない授業を積極的に受ける学生が増えた。松沢副学長は「新制度で修了した学生について、今後、採用した企業に評価を聞きたい」と話している。

 

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