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加賀野菜 皆で守って 保存会長の松下さん 10年前出版

(右)「加賀野菜」の歩みについて講演する松下良さん(金沢市提供)(左)市が再編集した「加賀野菜それぞれの物語」の製本版=金沢市役所で

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 金沢を代表する加賀野菜の魅力を広めようと、金沢市は加賀野菜保存懇話会会長の松下良さん(88)=同市泉=が約十年前に出版した本「加賀野菜 それぞれの物語」を再編集し、新たに製本した。十五種の野菜の特徴やルーツを紹介。市民が手に取りやすいよう市立図書館に置き、市ホームページ(HP)でも公開している。(太田理英子)

市が再編集し公開

 藩政期に金沢港周辺に伝わった金時草や、加賀藩祖・前田利家の妻まつの好物といわれ、もっちりとした食感の加賀れんこん。本ではそれぞれの野菜の特徴や、金沢の家庭の食卓に浸透するまでの歴史を紹介している。

 松下さんは幕末から続く「松下種苗店」の五代目で、加賀野菜の名付け親。

 「金沢で受け継がれてきた種、伝統野菜を残したい」と、約三十年前から加賀野菜のブランド確立に奔走。初めは生産者すら「当たり前に作っている野菜」と反応は思わしくなかったが、行政や料理人らの協力と取り組みもあり、次第に知名度は全国区になった。

 松下さんはブランド確立までのエピソードも盛り込み、二〇〇七年に本を出版した。

 それから約十年。加賀野菜を使う地元料理店が増えて観光客からの人気も高まる一方で、生産者の後継者不足が懸念されるように。市は加賀野菜を守り継ぐきっかけづくりにもしようと、松下さんの本の再編集に乗り出した。

 元の内容に、松下さんの「伝統野菜は時代と共に変わってもいいが、皆で守っていくという柱だけは揺るがないように」と次世代へのメッセージなどを加筆。市内在住のフードライターつぐまたかこさんが生産者や料理人らに取材し、執筆した寄稿文も添えた。

 再編集した本はA5サイズ、百五十四ページで、先月完成した。製本した四百冊は農業団体などに配布。販売はしないが、四カ所の市立図書館で貸し出しができる。さらに、市HPでも全文を公開している。

 松下さんは「金沢の方に読んでもらい、改めて加賀野菜の良さを知ってもらう機会に」と願っている。

 

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