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粟津の歴史守りたい 開湯1300年 覚悟を胸に

「次の世代に受け渡せるように旅館を守っていきたい」と話す辻井伸彦さん=小松市湯上町で

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温泉旅館・辻のや 3代目・辻井さん 

 小松市の粟津温泉旅館「辻のや 花乃庄」(湯上町)に、旅館の三代目となる辻井伸彦さん(26)が昨年八月に戻ってきた。同温泉の旅館は厳しい経営環境にあるが、辻井さんは「次の世代に受け渡せるように旅館を守っていきたい」と、今年で千三百年の節目を迎える粟津温泉の歴史を受け継ぐ覚悟を語る。(谷大平)

 辻井さんは、辻のやの二代目で一九九六年に亡くなった父一郎さん=享年四十=の次男。宿泊客が非日常を過ごす旅館も、辻井さんにとっては日常の一部だった。幼い時には旅館庭園の池にいたコイにエサをあげたり、宿泊客のいないロビーでブーメランを投げたりして遊んだ。

 五歳のころに父親が亡くなり、旅館を切り盛りするおかみの母祐紀恵さん(57)の姿を間近で見てきた。夜は遅くまで働き、一緒に遊びに行った思い出はあまりない。「他の家庭とは違うというさびしさもあった」と当時を振り返るが、幼心に旅館を支える母を誇らしく思えた。

 旅館を引き継ぐことは辻井さんにとって「自然な流れ」だった。千葉経済大経済学部を卒業後、東京YMCA国際ホテル専門学校(東京都)で一年間マネジメントを学んだ。その後、静岡県内の温泉旅館で二年半の修業を経て、繁忙期前の昨年八月に辻のやに戻ってきた。

 宿泊者の出迎えに立つと、地元の常連客から「大きくなったな」「お父さんに似てきたね」と声を掛けられる。「粟津温泉は地元に愛されている温泉なんだとあらためて感じ、うれしかった」と笑顔をみせる。

 粟津温泉では、他の旅館関係者から歓迎会を開いてもらって温かく迎えられた。開湯千三百年を迎える記念の年にも「まだまだ自分は未熟なので個人としては成長の年」と謙虚に話しつつ、「次の百年に残すため、旅館を守っていかないといけない」と力を込める。

 

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