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東京パラ出場 あきらめない 陸上100 金沢・新崎さん

室内練習をする新崎一路さん=金沢市のいしかわ総合スポーツセンターで

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 昨年十月、全国障害者スポーツ大会・体幹障害部門の男子100メートルで14秒23の新記録で優勝した新崎一路さん(20)=金沢市=がこの春、東京パラリンピックの参加資格の審査を受ける。だが、パラリンピックで日本独自の体幹障害部門のクラスはない。下肢か上肢障害のクラスに参加を認められても、さらなる記録向上も必要だ。道のりは険しいが、新崎さんは練習を続ける。(山内晴信)

参加資格、タイム…険しい道でも

審査通過信じ練習

 やや前傾気味で、腕を大きく後ろに振り、歩幅を広くとって走る。背骨のゆがみからか、体が傾くこともあるが、「ボルト選手も体の軸は曲がっている。一流の選手は不利になりそうな条件を有利にできる力がある」。障害者の陸上チーム「春風クラブ」(金沢市)監督の井上明浩さん(56)はそう期待を寄せる。

 ゼロ歳で運動発達遅滞と診断され、一歳で小児がんに。三歳で知的障害の療育手帳を交付された。小学生の時、三歳上の兄の少年野球チームに加わったが、走れず、捕れず、打てなかった。それでも、「みんなと一緒に体を動かすのが楽しくて」と新崎さん。

 中学校では運動部に入れず、知的障害者のスポーツ教室で陸上競技、水泳、バスケットボールをした。進学した特別支援学校には希望するバスケ部はなかった。そこで、教室に顔を出していた井上さんが「陸上は」と声をかけた。

 「みんなと練習するのが楽しかった」。徐々にがっしりした体つきになり、高校生の大会にも出場した。ただ負けてもいつも笑顔。母秀子さん(57)は「速く走れるようになっただけで驚きだけど、悔しいという気持ちが弱い」と思った。

 笑みは、一昨年の障害者スポーツ大会で消えた。知的障害部門100メートルの組で最下位。「もっと速く走れたはず。今までで一番悔しかった」。自宅前の上り坂で五十メートル走を繰り返し、ストレッチに時間を割いた。そして、昨年、二キロ以上の歩行が困難とされる人が出場する体幹障害部門に変更し、結果を残した。

 日本パラ陸上競技連盟によれば、「機能障害がある」として、手足が動く人でもパラリンピック下肢、上肢障害クラスで、参加資格を得た例はある。だが、このクラスは12秒で走れないと出場は難しい。自己ベスト13秒76との差は約二秒。

 でも、新崎さんはあきらめない。「最終目標はパラリンピックだから。出場してメダルをとりたい」

国際委の承認必要

 障害者手帳があれば、国内の障害者の陸上大会に参加できるが、国際パラリンピック委員会(IPC)公認の審査員から参加資格を認められないと国際大会には参加できない。リオデジャネイロ・パラリンピックでは、下肢、上肢障害のクラスで男子100メートルがあった。東京大会での種目は、まだ決まっていない。

 

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