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能登の酒蔵 世界酔わす 蔵人の平均35歳「数馬酒造」

「能登半島から日本酒の魅力を発信したい」と語る数馬嘉一郎社長=石川県能登町の数馬酒造で

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故郷と酒、魅力を発信

 石川県能登町宇出津の「数馬酒造」で、十一月初旬の清酒「竹葉」の出荷に向け、蔵人五人による仕込み作業が始まった。経営する数馬嘉一郎社長は三十一歳、蔵人も平均年齢三十五歳と、若手の蔵だ。地元産のコメにこだわり、国内外で業績を伸ばしている。(早川昌幸)

 一八六九(明治二)年に創業し、数馬社長は五代目蔵元。先代の嘉雄さん(現・興能信用金庫理事長)から七年前、二十四歳の時に社長を任された。

 子どものころから、家業を継ぐ継がないは別として、会社の経営者になりたいと思っていた。東京の大学を卒業後、経営コンサルタントのベンチャー企業に就職。数年後、宇出津にUターンした。酒造りに情熱を持ったのは、数馬酒造の社長になってからという。

 竹葉は上品できれいな飲み口。フルーティーで、コメのうまみも楽しめる。原料のコメは93%を能登産が占める。同県志賀町の耕作放棄地でもコメ作りに励む。水田に改良した放棄地の面積は、これまでに東京ドーム四つ分に上る。

 竹葉の販路は全国に広がり、海外の十二カ国にも輸出する。かつて八割が地元・能登で飲まれていたが、現在は三割に。数馬社長がトップに就任してから毎年、売り上げが伸びている。

 大学生と若手農家、酒造会社が連携する「Nプロジェクト」にも協力する。「自分たちと同じ若い人に、日本酒を身近に感じてほしい」「日本酒造りを通し、能登の魅力を発信したい」とプロジェクトが始動したのが二〇一四年。できた酒は毎年完売する人気ぶり。

 数馬社長は「大学生が若い視点で、参加してくれるのは心強い。酒造りに関してこちらが勉強になることも多い」と歓迎する。

 ファンを呼び込むイベントも開く。今月初旬に「ぶらり酒蔵めぐり」と銘打ち、能登町の三つの酒蔵が同時に蔵開きをした。各地から四百八十人もの日本酒好きが訪れた。数馬酒造や「谷泉」の鶴野酒造店、「大江山」の松波酒造を周遊バスで巡った。蔵を見学したり、利き酒をしたり、各蔵は工夫を凝らした企画や商品を用意し、好評だった。

 数馬社長の名刺の裏にある社是は「心和らぐさけ造り 心華やぐいえ作り 心豊かなまち創り」。

 順調にファンが増えている竹葉は毎年味に変化があり、蔵人たちはおいしさを追い求め、仕込みに工夫を凝らす。数馬社長は「能登半島の先端から世界に名酒の魅力を発信したい」と力を込める。

 

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