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北陸でも広まる「菜食」 動物性不使用「ビーガン」人気探る 

野菜たっぷりの石焼きビビンバを味わった「いただき繕」のランチ会=いずれも金沢市涌波で

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 野菜たっぷり、肉は使っていません−。健康志向などを背景に「菜食」を打ち出す飲食店が北陸でも増えてきた。動物性タンパク質を一切使わない完全菜食の「ビーガン」の店もあり、今秋には英国に姉妹店を持つ店も金沢市にオープンする。菜食の人気を探った。(押川恵理子)

若い母親を中心に共感

 十一年前からビーガンの食事を出す石川県野々市市の「コミュニティトレード・al(アル)」は北陸の先駆け。当初は健康志向が目立ったが、最近は「おいしいから」「時々、野菜をたっぷり食べたい」という声が多く、女性や子ども連れ客に交じり、男性のおひとりさまも増えてきた。代表の小浦むつみさん(48)は「これじゃなきゃ駄目でなく、気軽に野菜のおいしさを味わってもらえたら」と話す。

 金沢市涌波のギャラリー「ワクナミトネリコ」で七月下旬、ランチ会が開かれた。雑穀米に豆モヤシやニンジン、ホウレンソウ、ピーナツのつくだ煮などが盛られた石焼きビビンバが出された。「食べ応えがある」「野菜の味がしっかりしている」などと好評だった。

「いただき繕」の金沢店の開業準備を進める山田靖也さん、明子さん夫妻

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 ランチ会の場所を提供しているギャラリーオーナーの細川伸子さん(61)は「ギリシャまで足を運んで塩を選ぶなど素材の購入先をしっかり調べていて、若い母親を中心に共感が広がっている」と話す。

 ランチ会を開いているのは、全国の母親らが設立した「いただき繕(ぜん)」というブランドを掲げて菜食に取り組んでいるグループ。食べ物に感謝して味わい、心身を繕うという思いが名前に込められている。

 いただき繕の看板を掲げるレストランは二〇〇九年のロンドンを皮切りに、東京都、北海道、愛知県、富山県で誕生。各店で使う塩や大麦、オリーブオイルは生産者から直接仕入れてコストを抑え、開業時などは各店のスタッフが助け合っている。

 十月末に金沢市新竪町商店街で金沢店を開くのは、福井市八ツ俣町で農家民宿を営む山田靖也さん(38)、明子さん(39)夫妻。靖也さんは都内の大手企業で朝から終電まで働いていた。給料は良いが「何のために生きているのか」と悩んで退職した。いただき繕では食材の共同購入などを担い、「食の安全・安心を次世代に伝えたい」と願う。

 「個人も力を合わせれば、オーガニックの食品を安く買える。消費者が意思表示することで農家も安心して生産できる」と明子さん。食を通じ、消費社会の在り方にも一石を投じる。

タンパク質摂取が問題

ビーガンの栄養面、識者分析

 ビーガンは卵や乳製品も食べない菜食主義で、動物性タンパク質を一切取らない。栄養面はどうか。

 北陸学院大短期大学部食物栄養学科の坂井良輔教授(食品機能学)は、ビーガンの食材の詳しい栄養学的な解析が必要と断った上で「炭水化物はイモ、穀類などで十分に取れ、油脂も大豆に含まれている。ミネラルは野菜から摂取可能と考える」と話す。

 筋肉や内臓、皮膚などをつくるのに欠かせない栄養素のタンパク質については「大豆など豆類で補っても、厚生労働省が定める摂取必要量を満たしているか、必須アミノ酸がバランスよく取れているかを確かめることが大切」と付け加えた。

 

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