トップ > 石川 > 6月4日の記事一覧 > 記事

ここから本文

石川

イマドキ建機 自動制御 人不足解消に期待

施工状況を確認できるICT建機のモニター=いずれも石川県川北町で

写真

 完成図面に合わせて動作を自動制御する情報通信技術(ICT)建機が、土木工事の現場で活躍し始めている。人手不足が叫ばれる建設業界で、生産性の向上に期待が高まっている。(谷大平)

土木現場 工期短く カッコよく

 石川県川北町内を流れる手取川の河川敷。昨年三月から工事の始まった堤防ののり面整備に、「ICT建機」のショベルカーとブルドーザーが一台ずつ導入された。

 ドローンを使って工事現場を上空から撮影し、三次元の地形データを作成。位置情報と施工後の設計データを建機に送り、現場のどこにどれだけの土を削ったり、盛ったりするのか建機のシステムが認識する。設計データ以上に土を掘ろうとレバーを押しても、自動でアームなどにブレーキが掛かる仕組みだ。

 「最初は本当に大丈夫なのか半信半疑でした」。建機を二十六年間操縦してきた藤井宏治さん(46)は、今回の現場で初めてICT建機に乗った。誤差数センチで操作が制御されるだけでなく、操作室のモニターにのり面の施工状況が映され、建機から降りて確認する手間がなくなった。工事を請け負う総合建設会社「吉光組」(石川県小松市)によると、ICT建機の導入で全長百八十メートル分ののり面整備の工期が二週間ほど短縮したという。

 大きな石などの障害物が出てきた場合は自動制御を解除するが、藤井さんは「ざっくりした作業は任せられる」と太鼓判を押す。現場監督の大山智也さん(38)は「操縦者の経験に関係なく工事の仕上がりが均一になる」と利点を挙げる。

 団塊の世代の熟練操縦者は退職時期を迎え、国土交通省は昨年度を「生産性革命元年」としてICT建機の導入を後押ししてきた。現在は河川の改修工事や道路の新設といった大規模な土木工事が主だが、今後は道路の舗装工事などでの活用も目指している。

 一般社団法人「小松能美建設業協会」の堀伸市会長は「ゲーム感覚で建機に乗れる。なり手が少ない若い世代や女性にも建設業界に関心を持ってもらえる機会になるのでは」と人材確保への波及効果を期待する。

ICT建機を利用して整備された手取川の堤防ののり面

写真

北陸、導入に積極的

 現場の測量から施工、検査までの全工程にICT技術を導入する工事は「ICT活用工事」と呼ばれる。

 昨年度に国が発注したICT活用工事中、実際にICT技術を活用して実施されたのは全国平均で三割前後。国土交通省の各地方整備局によると、四月末現在で北陸三県の国発注のICT活用工事の実施率は、石川県が十三件で76%、富山県が五件で71%、福井県は十九件で90%だった。

 国交省によると、昨年度に全国で実施されたICT活用工事件数は五百八十四件。北陸三県の実施件数は多くないが、同省の担当者は「北陸三県ではICT技術を積極的に導入しているといえる」と話す。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索