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性扱った耳疑う書名の「あの本」 「話題の夫の…」で通じた

目立つように高く積み上げられた「あの本」=金沢市竪町のヴィレッジヴァンガード金沢PATIOで

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20代女性記者、書店で検証

 四十代の主婦が夫婦間の性にまつわる悩みを題材に記した私小説が、十三万部刷られ、異例のヒット作となっている。口に出すのが恥ずかしいと話題の「あの本」。金沢の書店で探し歩いた。(督あかり)

 先輩の男性記者が持っていたあの本が北陸本社報道部で話題になり、私は「書名を言わずに買えるか調べてみて」と命じられた。本の名は「夫のちんぽが入らない」(百九十五ページ、扶桑社)。耳を疑った。二十代後半の女性として大胆な書名に戸惑ったが、記者として気になったのでセクハラではない。引き受けることにした。

 白を基調に広くて明るい金沢市鞍月の金沢ビーンズ明文堂書店。気恥ずかしさから花粉症用のマスクは外せなかったが、女性店員に思い切って聞いた。

 「例の本ってありますか」「霊ですか」「いえ、ネットで話題になってるあの本です」「ああ、名前がちょっと微妙なあれですか。男性のあの名前ですよね」

 案内された文芸コーナーに四十冊並んでいた。文芸担当の店員山本翔子さん(28)は「一月の発売から五十冊ほど売れて、反響は大きい」と明かす。表紙のタイトルは白い背景に細い銀色の文字が小さくて読みにくい。男性客からはっきりと書名を言われて尋ねられた時は「すぐに伝わり逆にありがたかった」とか。

 うつのみや金沢香林坊店でも「ネットで話題の、夫の…」と言って、本の名を言わずに済んだ。新刊文芸書担当の店員勝尾弘子さん(49)は「最初は店頭に置いて良いか、ためらった。読むと、実話に基づき人には言えない悩みが書かれて見方が変わった」と話す。

 金沢市竪町のヴィレッジヴァンガード金沢PATIOでは、人目を引くようにペンキ缶の上に高く積み上げられていた。「タイトルにびっくりした人にこそ読んでほしい。誠実で、切実な一冊です」。そう記された手書きのメッセージも。書籍担当の店員中村慶子さん(43)は「思いっきりが良いタイトルで、話題性がある。立ち読みする女性も多い」と語る。

 あの本は今、私の手元にある。衝撃の性生活が記されているが、葛藤しながら必死に生きる著者の等身大の姿に共感も覚えた。あなたは手に取ってみますか?

 

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