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介護現場で外国人労働環境整備 白鳥の協同組合

労働や出入国に関する法律を学ぶ実習生たち=郡上市白鳥町のヒト・ケア事業協同組合事務所で

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 人手不足に悩む介護の現場で、外国人技能実習生が適正な賃金や労働時間で仕事に取り組める環境を整備しようと、ベトナム人技能実習生の受け入れ実績を持つ郡上市白鳥町の建材・家具製造会社の「大平産業」の清水直美会長(71)が、県内や愛知県、長野県で福祉施設を運営する医療法人や社会福祉法人に呼び掛け、監理団体「ヒト・ケア事業協同組合」を設立した。組合では昨年十一月からベトナム人技能実習生を受け入れ、事前研修を行っている。

 組合は二〇一六年八月に設立。理念に共鳴する法人の勧誘を進め、昨年一月、国の監督機関「外国人技能実習機構」に監理団体として認められた。現在は十二法人が加盟する。実習生が実習先に赴任する前の研修を担うほか、各施設を定期的に訪れ、適正に働けているかも確認する。

 大平産業は二〇〇七年にベトナム・ホーチミン市近郊に工場を設置。同年から毎年、ベトナム工場勤務の社員三人を実習生として、白鳥町の本社工場に受け入れてきた。社として制度を活用してきた清水さんは、他の現場で過酷な労働環境などのため失踪する実習生がいることに心を痛めていた。

 清水さんは技能実習の職種が人手不足の介護分野にも拡大することを見据え、「実習生は現地の送り出し機関に多額の金銭を支払ったり、借金をしたりしていることが多い。送り出しから受け入れまで一貫して面倒を見る仕組みをつくりたい」と決意。日本で組合を設立する一方、ベトナムで一六年にホーチミン市に実習希望者対象の日本語学校、一七年に送り出し機関を相次いで設立。ベトナム政府の認可を受けた。

 研修は清水さん所有の空き家を改装した組合事務所でこれまでに二回行われ、各回で十一人ずつが共同生活を送りながら、法律をはじめ介護技術や日本語などを学ぶ二十三日間の研修に取り組んだ。研修では日本在住のベトナム人が教育係を務め、ごみ出しや買い物など、日本での生活のルールなども教えている。

 研修を終えた実習生二十二人は、組合員が運営する八カ所の施設で働き始めている。関市東山の介護老人保健施設「東山ハイツ」で働く実習生、チン・ホアン・チンさん(20)は「介護の仕事はどこの社会でもなくならない。日本の介護施設でしっかりと学んで、いずれは母国で高齢者介護を教えられるような存在になりたい」と意欲を示す。清水さんは「ベトナムの人たちが日本で良い思い出を持って帰ってもらえるようにしたい」と語った。

 (鈴木太郎)

 <外国人技能実習制度> 外国人に働きながら母国の発展に役立つ技能を学んでもらうことを目的に、1993年に始まった。海外の現地法人から実習生を受け入れる「企業単独型」と、商工会などの非営利の監理団体が傘下の企業を実習先とし、海外の送り出し機関を通じて受け入れる「団体監理型」がある。対象職種は、2017年11月の技能実習適正化法の施行で、介護分野にも拡大された。

 

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