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国天然記念物イタセンパラの生息数3倍に 保護協が木曽川で確認

絶滅危惧種IA類に指定されているイタセンパラ=愛知県一宮市の木曽川で(国交省提供)

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 木曽川中流域に生息する国天然記念物の淡水魚イタセンパラの確認数が、昨年のモニタリング調査の結果、木曽川両岸の五十四地点の合計で、前年の三倍にあたる約三万匹に上ったことが分かった。国や周辺自治体などでつくり、調査を実施した「木曽川水系イタセンパラ保護協議会」によると、特に生息数の多い羽島市南部で顕著に増えたことが影響した。

 イタセンパラは全長一〇センチほどのコイ科の淡水魚で、近い将来に絶滅する危険性が高い「絶滅危惧種IA類」に指定されている。全国で木曽川水系、関西の淀川水系、富山県の万尾川水系の三カ所にのみ生息し、木曽川水系の生息規模が最も大きいとされる。

 中でも「ワンド」と呼ばれる、河岸が入り組んで流れの緩やかな水域を好むという。国土交通省は十年ほど前から、羽島市、愛知県一宮市の木曽川中流域の両岸六カ所で、ワンドの拡幅や川底にたまった泥の除去、水路の造成などの環境改善に取り組んできた。

「ワンド」と呼ばれるイタセンパラの生息域=愛知県一宮市の木曽川で(国交省提供)

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 生息数の増加は先月、岐阜市内で開かれた同協議会の域内保全部会で報告。有識者や国交省、岐阜・愛知両県、羽島・一宮両市の担当者らが参加した。

 調査は専門の調査員による目視で実施するため、正確な個体数が測れるわけではない。ただ、毎年同じ手法で調査しているため、大まかな増減の傾向を把握できる。生息数が最も多い羽島市南部のある地点では、前年の七千八百匹から二万六千匹に増加。一方で、前年比で横ばい、減少した調査地点もあった。密漁対策のため、増加した詳細な場所は非公開とされた。

 協議会会長の森誠一岐阜経済大教授(魚類学)は「増加した直接の要因はわからないが、今年は大雨で出水が多くなったことが影響していると思う。国交省による長年の環境整備も着実に効果が出始めている」と話した。

 こうした中、羽島市は市民に保護意識をさらに高めてもらおうと、先月から「イタセンパラサポーター」制度を始めた。所定の申込書を市生涯学習課に提出すると、缶バッジの登録証が交付され、イタセンパラの勉強会や環境保全活動などの案内が送られる。

 市担当者は「希少生物に関心のある方はもちろん、日ごろ木曽川沿いを散歩される方は密漁者の監視などに協力してもらえるとありがたい」と話している。(問)市生涯学習課=058(393)4672

 (長崎高大)

 

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