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岐阜

がん治療薬、開発に光 悪性化進める酵素の構造解明

木塚康彦准教授

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 岐阜大の「生命の鎖統合研究センター」の木塚康彦准教授らは、がんの悪性化を進める糖鎖(とうさ)合成酵素「GnT−V(ファイブ)」の立体構造を世界で初めて明らかにした。木塚准教授は「この酵素の構造が分かれば、がんの治療薬開発が新しい切り口で進められる」と期待する。

 東京大大学院薬学系研究科の長江雅倫特任研究員との共同研究で、英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に発表した。

 細胞の表面は糖鎖で覆われている。糖鎖はグルコースなどの糖が鎖状につながった分子の一部で、細胞からひげのように伸びているため「細胞の顔」とも呼ばれる。

 細胞が病気になると、糖鎖が変化するので、がんを見つける際の目印とされている。同時に、糖鎖が変わると細胞の働きも変わるので、糖鎖の変化を抑えることができれば、がんの治療に有効という。しかし、数百種類とされる糖鎖合成酵素の構造はほとんど分かっておらず、糖鎖に注目した治療薬の研究が進んでいなかった。

 岐阜大で二〇一六年十月、糖鎖の研究推進などを目的に設立された「生命の鎖統合研究センター」に所属する木塚准教授らは、高輝度エックス線を用いて「GnT−V」の構造に関するデータを収集。この酵素がクローバーのような立体状で、真ん中に深いくぼみがあることを確かめた。このくぼみが糖鎖の構成を方向付け、がんを悪性化している可能性があるという。

 木塚准教授は「GnT−Vが悪さをしているのは研究者の誰もが知っていたが、構造が分からず、糖鎖をターゲットにした薬は少なかった。非常に発展性がある発見だと思う」と話した。

 (高橋貴仁)

 

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