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岐阜

「うだつの旅館」再開へ 高齢女将の義理の娘、後継ぐ

装飾的なうだつが上がる旅館=美濃市魚屋町で

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 美濃市中心部のうだつの上がる町並み内で、伝統的なうだつを残す唯一の旅館として知られる同市魚屋町の岡専旅館が三年ぶりに営業を再開する。一人で旅館を切り盛りしていた女将(おかみ)の岡百合子さん(88)が高齢のため介護が必要になり、二〇一六年初めから休業していたが、義理の娘のたか子さん(60)が後継者として名乗りを上げ、年内の営業再開に向けて準備している。

 旅館は、うだつが上がる建物が集中する「目の字通り」の中央にあり、築二百年ほど。当初は塩問屋を営んでいたが、明治時代ごろから旅館業を始めた。

 敷地は間口十八メートル、奥行き八十メートル。通りに面した木造二階建ての母屋の表側には、華やかな装飾を凝らした二つのうだつが上がる。母屋の番台をくぐると現れる中庭には、客室十部屋を持つ二階建ての離れと、土蔵三棟が並ぶ。

 岐阜市出身のたか子さんは一九八六(昭和六十一)年に百合子さんの長男で会社員の康弘さん(56)と結婚し、旅館敷地内の別棟で一緒に住んでいた。結婚直後は若女将として働いたが、会社勤めの方が向いていると思い、三年後に紙製品の加工工場に就職。昨年十月まで働いた。

新しい女将として旅館を切り盛りする岡たか子さん=美濃市魚屋町で

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 家業を継ぐきっかけは、退職後に自宅にいる時間が増えたことだった。それまでほとんど足を踏み入れなかった旅館の建物をじっくりと見て「歴史のある建物を活用できないのはもったいない」と決意した。うだつの上がる町並み内の観光客が増加し、市中心部で今年新たな宿泊施設二軒が開業したことも、背中を押した。

 客室の消防設備の更新が終わり次第、年内にも営業を再開する。当分は素泊まりとするが、営業をしながら老朽化が進んだ蔵の壁や調理室を改修する工事を進め、食事も提供できるようにするつもりだ。

 たか子さんは「旅館の女将の仕事は一度断念しただけに不安だが、お客さまに喜んでもらえるような場所になるよう一生懸命挑戦したい」と話している。

 (鈴木太郎)

 

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