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多治見・精華小で卒業生の陶板撤去 市教委の対応に不満の声

取り壊されてがれきの山となった塀。裏には卒業生の名前が刻まれていた=多治見市精華小で

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 多治見市精華小学校で卒業生が制作した陶製の塀が七、八日に取り壊されたことを巡り、卒業生から「自分の陶板を引き取りたい」という事前の申し出があったにもかかわらず、市教委が断っていたことが分かった。卒業生からは「大切な卒業制作なのに、希望者には引き取らせるべきだったのでは」と一律の対応に対する不満の声が出ている。

 市教委は八月一日発行の市広報誌に「八月末までに撤去します。子どもたちの安全のためご理解ください」という記事を掲載したが、卒業生本人には連絡しなかった。

 その後、市教委などには広報誌で取り壊しを知った卒業生から引き取りの要望が二件あった。しかし「解体時に取り分けるには予算も時間もかかり、全員の要望には応じられない。安全を考えれば早期の撤去はやむを得ない」として断ったという。

 引き取りを申し出た女性(52)は取材に「記念制作なので残してほしかった。連絡があった分だけでも個別の対応ができなかったのか」と不満を漏らし、市教委が卒業生本人に連絡しようとしなかったことに対して「今も実家にいる卒業生には連絡できたはず」と、やりきれない感情を漏らす。塀の取り壊しを十一日付の本紙記事で知ったある女性は「卒業生みんなに知らせてくれれば、自分で写真を撮りに行ってお別れしたかったのに」と悔しがった。

 卒業生本人に知らせなかったことについて、同校は「当時の学級委員などに伝達の負担をかけるべきではないと考えた」としている。解体前の塀の写真は同校が残しており、永冶(ながや)友見校長は「卒業生にはいつでも見に来てほしい」と話している。

 塀は一九七四〜七九年、当時の卒業生が自分の顔をかたどって作った陶板を積み上げ、運動場の端などに建てられた。陶板は千数百人分にもなる。六月の大阪府北部地震で倒れたブロック塀の下敷きになった女児が死亡したことから危険性が全国的に問題となり、市教委が解体を決めた。

 (野瀬井寛)

 

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