トップ > 岐阜 > 8月31日の記事一覧 > 記事

ここから本文

岐阜

日本縦断山岳レース 高山の垣内さんが初挑戦V

トランスジャパンアルプスレースで初優勝した垣内さん=15日、長野県で

写真

 日本海から太平洋まで、日本アルプスを越えて日本を縦断する山岳レース「トランスジャパンアルプスレース」で、高山市国府町の会社員垣内康介さん(39)が約四百十五キロを六日と一時間二十二分で踏破、初出場で優勝に輝いた。レースを目標に十年間トレーニングしてきた垣内さんは「憧れのレースに参加できて夢のような時間を過ごせた。優勝できたのは偶然だが、光栄でうれしい」と喜びを語った。

 二十八歳でトレイルランニングを始めた垣内さん。専門雑誌で知った同レースへの出場を目標に、家具メーカーの柏木工(高山市上岡本町)に勤める傍ら、日夜練習に励んできた。

 レースは体力や山に関する知識、危機回避能力が試され、過酷なため、出場できるのは厳しい審査をくぐり抜けた三十人だけ。十二日午前零時に富山県魚津市の海岸をスタートし、垣内さんは序盤は「様子見」で最後尾付近にいたが、ぐんぐん順位を上げ、二日目にはトップ集団に加わった。

 勝負を決めたのは五日目の深夜。レース最後の三千メートル級の山である聖岳(三、〇一三メートル)の登山道に差しかかった時、先頭を走る選手が野宿するのを尻目に、「ここで突き放せば勝てる」と眠らずに走り、先頭に躍り出た。以後、トップを譲らず、二位に約五時間の大差をつけて、静岡市駿河区の海岸に設けられたゴールのゲートをくぐった。

 レース中、特につらかったのは眠気と寒さ。少しでも長く走るために、睡眠は一日平均一時間半ほどに削った。疲労がピークに達すると、幻聴が聞こえたり、いるはずのない動物や自分の幼い娘の幻覚が見えたりした。山中で大雨が降り、吹き飛ばされそうな強風にも襲われ、凍えるほど体温を奪われることもあった。

 つらいときは、「このレースに向けて何年も練習してきたので、絶対にゴールする」との強い思いを支えに耐えた。「すれ違う登山者や、会社の同僚たちが応援してくれたおかげで、持っている以上の力を出し切れた」と振り返った。

 初挑戦での快挙に「家族や会社に迷惑を掛けてきたので、結果で恩返しできた」と満面の笑み。まだ体力は完全に回復していないが「家族サービスをたっぷりとした後は、さらなる高みを目指して早く練習を再開したい」と意気込んだ。

 (西浦梓司)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索