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長良医療の産科医5人移籍 県総合センターへ、連携で充実図る

産科医師5人が移籍する見通しとなった長良医療センター=岐阜市長良で

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 医師不足に悩む県総合医療センター(岐阜市野一色)が、国立病院機構が運営する長良医療センター(同市長良)の産科医八人のうち五人の移籍を受け入れる見通しになったことが、関係者への取材で分かった。同じ地域内で中核的な役割を担う両病院が連携、周産期医療体制の充実を図る。

 産前産後の母子を診療する周産期医療の医師不足は全国的に深刻さを増す。両病院は県と医師の人事権を持つ岐阜大医学部を交え、病院間の役割分担や連携のあり方を議論してきた。

 複数の関係者によると、長良医療センターは二十八日、院内会議で幹部らに方針を伝えた。県総合医療センターも近く、院内で受け入れを公表する。移籍時期は来年一月と三月の二段階を想定しているという。

 長良医療センターは、胎内の子どもを診断、治療する胎児診療で広く知られ、県内外から患者を集めている。産科医八人の大半が移ることになるが、同院幹部は「新たに医師を確保し、産科は維持する」と説明している。

 県総合医療センターは独立行政法人の運営で、リスクの高い妊婦や新生児を診療する総合周産期母子医療センターに県内で唯一指定されている。分娩(ぶんべん)を担う常勤の産婦人科医は六人。同院の関係者は「今の人手ではいっぱいいっぱい。医師が増えることで、若い医師の教育もしやすくなる」と歓迎する。

 同大教授の一人は「医師に余裕ができるようになれば、医師不足が深刻な県内の他地域にも派遣できるようになる」と話している。

◆慢性的な医師不足

 県によると、県内の分娩(ぶんべん)取り扱い施設は二〇一七年が四十六カ所で、一〇年(六十四カ所)に比べ三割減った。一方、産婦人科・産科医師は一六年が百七十三人で、この二十年は微増減を繰り返し、慢性的な医師不足の状況が続いている。

 加えて、県内のある産科医師は「出産年齢の上昇などでリスクの高いお産が増えた」と厳しい環境を明かす。県内の四十歳以上の出生数は一五年に六百七十五件で十年間で二・三倍に。リスクのある妊娠二十八週未満の分娩数は一四〜一六年で二・二倍に増えた。

 名古屋市立大病院の産婦人科医師、尾崎康彦教授は、産科医師不足の背景には過酷な労働状況があると指摘。「二十四時間体制でお産に備える必要がある上、医療訴訟が比較的多い。そのイメージから産科医師を志望する若手が減り、悪循環を生んでいる」と話す。同院では当直の翌日は昼で帰るなど、働き方改革に取り組んでいるという。

 県周産期医療協議会の冨田栄一会長は「医師不足に一つの特効薬はなく、地域に応じた連携を今後も県全体で考えていく必要がある。労働環境の改善も、同時に進めていかなければならない」と話している。

 

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