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CSR、ペット産業に広がれ 獣医師の奥田さん白書発行

ペット産業にCSRの概念を普及させるため、白書を執筆した奥田獣医師=岐阜市岩地のONELifeで

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 ペット産業界に、あまりなじみのない企業の社会的責任(CSR)の概念を浸透させたいと、岐阜市のNPO法人「人と動物の共生センター」が、書籍「ペット産業CSR白書〜生体販売の社会的責任〜」を発行した。獣医師で、同法人の代表を務める奥田順之(よりゆき)さん(32)は「ペット産業界にもCSRを普及させたい。企業が社会の声に積極的に耳を傾けるようになれば、ペット産業が抱える課題の解決につながり、人と動物が共生できる社会に近づくはずだ」と願っている。

 ペット産業界では、ブリーダーによる劣悪な環境下での犬猫の飼育・繁殖や、ペットショップであまりに幼いうちから子犬や子猫が展示される問題など、課題がいくつも存在する。それらの問題を受け「ペット産業は悪であり、産業の中核を担っているペットショップは全廃すべきである」と主張する動物愛護団体などが、少なくないという。

 奥田さんは、これらの主張に一定の理解を示しつつも「人と動物の出会いをサポートする場所として、ペットショップは必要。非現実的な主張では、改善にもつながらない」と指摘。その上で、ペット産業にCSRの概念を広めて社会からの要請を経営に取り入れ、動物愛護団体などとも手を携えて、人と動物が共生できる社会を目指すべきなのではないかと訴える。

 奥田さんは、岐阜大応用生物科学部獣医学課程を卒業後、一〇年から獣医師として活動。一二年に犬のしつけ教室「ONELife(ワンライフ)」を、一四年には問題行動を専門に治療する「ぎふ動物行動クリニック」を岐阜市に開いた。一七年には、“動物の精神科医”と呼ばれる獣医行動診療科認定医に認定された。

 白書は、奥田さんが三年間かけて取材やアンケートを行い、執筆した。四章で構成する。第一、二章では、ペット産業を取り巻く環境や課題を説明。第三章では、ペット産業のCSRの全体像について考察し、第四章ではCSRを推進するため「動物の負担となる子犬などの展示販売をやめ、ブリーダーを紹介する制度を導入する」「高齢化社会における、高齢者と繁殖引退犬のマッチングをする」などと、具体的な提言をしている。

 奥田さんは「ペット関連企業の経営者や従事者、動物愛護の活動に携わる人々、消費者である飼い主などに読んでもらい、ペット産業のCSRについて理解してもらいたい」と話す。

 白書は四千円(税別)。岐阜市岩地の「ONELife」店頭や、同センターのホームページで購入できる。(問)同センター=058(214)3442(水曜から日曜に対応)

 (下條大樹)

 

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