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岐阜

1935年式はしご車を修復 中日本自動車短大

エンジンルームの構造を確認する教員ら=坂祝町の中日本自動車短大で

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 坂祝町の中日本自動車短大で修復されている独メルセデス・ベンツの1935(昭和10)年式はしご車が13、14の両日、名古屋市の名古屋港ガーデンふ頭で展示される。同市消防出初め式に合わせた、約1年ぶりの「帰郷」となる。分解した部品も並べ、学生らが作業過程を紹介する。

 このはしご車は、再び走行できるようにして火災予防の啓発に活用しようと、所有する名古屋市が修復を計画。同短大が一昨年十二月から預かり、自動車整備士を目指す有志の学生五人と教員六人がほぼ毎日、授業以外の時にも通って作業を進めている。

 設計図は現存せず、分解しながら構造を確かめて、傷んだ部品を交換。同じ既製品がないものも多く、類似の部品を加工するなど試行錯誤を重ねている。「すべてが手探りの作業。今の車には見られない構造もあって驚きの連続」と、指導する清水啓司教授(61)は笑顔を見せる。

 さびて五十カ所ほど穴が開いていた燃料タンクは、学生が溶接して修理。四輪のホイールは古い塗装をはがした上できれいに赤く塗り直した。複雑に絡み合った電気配線は一つ一つ電流を測りながら不要な線を取り除いて整理し、後のメンテナンスに生かすために回路図も作った。

 今回の展示に向け、利かなくなっていたタイヤの油圧式ブレーキのラインを引き直して安全性を確保。手動でハンドルを回して鳴らすサイレンも直し、「ウォーン」と響き渡る往時の音を復元した。

 十二日に短大から積載車で会場へ運ぶ。十四日の出初め式では、学生らが作業状況を説明し、市民らに記念写真やサイレン体験も楽しんでもらう。

 足回りを手掛ける長谷貴道助教(38)は「今のところ作業は順調。修復中の車を見て、復活するのを一層楽しみにしてもらえたらうれしい」と話している。

 (平井一敏)

 <幻のはしご車> 全長9・5メートルで、30メートルまで伸びる四連機械式はしごを装備。1935年に国内に輸入された3台のうち1台が名古屋市中消防署に配置され、68年まで火災現場で活躍、その後は同市守山区の市消防学校車庫に眠っていた。導入当時の価格は7万2500円。今の価値に換算すると約2億円で、その6割が市民の寄付で賄われた。市は2019年中の公道走行復活を目指している。

 

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