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<多治見 21世紀枠からの挑戦>(上) 限られた時間と場所

バドミントンのシャトルを打つ選手(右)。奥ではテニスボールを打ち込んでいる=多治見高で

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 「サッカーボール、テニ球、シャトル各20分」。選手たちが屋内練習を行う体育館下のスペースに立てかけられたホワイトボード。書かれていた練習メニューには、野球とは無縁のような文字が並ぶ。

 いずれも打撃練習の内容。サッカーボールは、威力のある球でも手首で押し返す力を身につけるために打つ。柔らかいテニスボールは、周囲への安全を考慮して。動きが不規則なバドミントンのシャトルは、変化球への対応を鍛えるためだ。

 ただでさえ狭いグラウンドをサッカー部など他の部と共用している。普段はフリー打撃や外野ノック、内外野の守備連係の練習はできない。雨天時は、屋内のテニスコート半分ほどのスペースか約五十メートルの廊下が練習場となる。

 さらに、「一人一人の文武両立」を学校スローガンに掲げる公立の進学校は、平日は午後六時半が完全下校の時間と定められている。通常の練習時間は一〜二時間程度しかない。甲子園出場決定後もそれはまったく変わらなかった。

 高木裕一監督(54)は「場所にしろ時間にしろ、ないものは仕方がない。だったら、あるもので工夫するしかないでしょう」と笑う。サッカーボールやシャトルを使う一風変わった練習は、一九九八年に就任した高木監督が考案したオリジナルメニューだ。

ホワイトボードに書かれた練習メニューを確認する選手=多治見高で

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 四番打者の佐藤昂気主将(三年)は「変わった練習内容かもしれないが、なぜやるのか説明を受けているので、頭でしっかり理解して取り組めます」と落ち着いて話す。高木監督は「練習が足りないことへの焦りはない。背伸びをせず、自分たちの野球をやるだけ。甲子園でも、今までどおりの野球をするだけです」と胸を張る。

    ◇

 第八十九回選抜高校野球大会が十九日、甲子園球場で開幕する。昨秋の県大会で初優勝し、二十一世紀枠で県から初出場する多治見は大会二日目の二十日、報徳学園(兵庫県)と対戦する。狭いグラウンドと短い練習時間という困難を乗り越え、高校野球の聖地の切符をつかんだ軌跡を追った。

 

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