トップ > 福井 > 1月5日の記事一覧 > 記事

ここから本文

福井

除草にヤギを、ウメー美化だ 県が無料貸し出し

県畜産試験場で飼育されているヤギ=坂井市三国町で

写真

 県は、地域の景観や農地の保全に役立ててもらおうと、県畜産試験場(坂井市三国町)で飼育しているヤギを、除草のために町内会や集落営農組織などに貸し出せるようにした。かわいらしいヤギたちが、まちの美化のために舌鼓を打つ。

 県畜産試験場は二〇一二年、場内に「ふれあい牧場」を整備したのに合わせて、展示用のヤギを飼い始めた。現在、約十頭がいる。軟らかい草だけでなく、葉っぱや木の芽なども食べる。

 県生産振興課によると、情操教育や癒やし、畜産への理解に活用してもらおうと、一五年度から県内の小学校や高齢者福祉施設など延べ九カ所に二十頭を貸してきた。県民からの要望を受けて昨年十二月から、除草にも活躍の場を広げることにした。

 ヤギは無料で借りられるが、借りる側は柵や雨よけなどの準備が必要。試験場の職員が事前に現場を訪れ、広さなど適切に飼育できる環境になっているかを確認し、除草する面積や貸し出し頭数などによって期間を決める。民家の除草など個人的な理由では借りられない。

 試験場の担当者は「草を食べる道具として見るのではなく、愛情を持って接してほしい。水の管理などに気を配って」と話している。(問)県畜産試験場=0776(81)3130

◆岐阜では出費も減

 薬剤や燃料を使わず、刈った草の処分も必要ないため、環境に優しいといわれるヤギによる除草。自治体が取り入れるなど各地で注目を集めている。

 岐阜県美濃加茂市では2012年から、ヤギを飼育する農業生産法人に委託して除草に取り組んでいる。昨年は4〜10月、市内の広場などののり面計2ヘクタールでヤギが活躍した。市によると、人が機械で作業したのと比べ、草の処分が不要なことなどから、費用は3分の2ほどと試算されるという。市の担当者は「人の場合、草が伸びきった後の作業になり、作業後はきれいになる。ヤギは定期的に入るので、常に草が短い状態を保てる」と効果を指摘する。

 都市再生機構(UR)は13〜17年度、東京や大阪などの団地内で実証実験として実施した。担当者は「環境に優しい手法で、団地内の会話が増えたという効果が住民へのアンケートで確認された」と語った。

 長野県伊那市の「産直市場グリーンファーム」は2012年から、県内外の一般家庭や企業などにヤギをレンタルし、除草のほか情操教育にも利用されている。同年の貸し出しは17頭だったが、17年は143頭、18年は11月末までに157頭と増加した。

 飼育部の獣医師、小松由章(よしあき)さん(47)は「ヤギは人によく懐き、家庭でも飼いやすい」と話す。飼育する際の注意点には、リードをつなぐ場合は絡まないようにすること、除草剤が付着した草を食べないようにすることなどを挙げ「通常、便はウサギのようにコロコロ。食欲や行動、便の状態を見てほしい」とアドバイスした。

 (鈴木啓太)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索