トップ > 福井 > 9月11日の記事一覧 > 記事

ここから本文

福井

福井シネマ、最後は「羊と鋼の森」

最終上映後、従業員らに見送られる宮下さん(右から2番目)=福井市順化1の福井シネマで

写真

 映画館「福井シネマ」(福井市順化1)が10日、約100年の歴史に幕を下ろした。近年の観客減に伴う事業転換のためで、駆けつけた観客たちからは「寂しい」「懐かしい雰囲気が好きだった」と別れを惜しむ声が上がった。

 福井シネマは、一九〇三年に始まった芝居小屋「加賀屋座」を源流とし、一九年に映画の上映が始まった。東宝、東映、加賀産業の三社が出資して現在の福井シネマの原形となる映画ビルが七七年に開館し、四スクリーンで計七百席を備えた。観客があふれた時代もあったが、近年は近郊のシネコンに押されるなどし、苦しい経営が続いていた。建物は解体され、オフィスビルとなる。

 この日は青春時代を懐かしむ人らが次々と足を運んだ。十回以上は訪れたという坂井市三国町のパート社員原嶋さとみさん(60)は「経営が大変だろうと感じてはいたが閉館すると聞いて寂しい気持ち」と話した。

 最後の上映が終わった夜には、加賀産業の加賀元社長や従業員ら約十人が出入り口に並び、「ありがとうございました」と深々と頭を下げた。

 映画「羊と鋼の森」の最終上映には、原作者の宮下奈都さん=福井市在住=も来場。「子どもの時から来ていた場所が、まさか無くなるとは思っていなかった。本当に残念」と思いを語った。あわら市のアルバイト南エリ子さん(58)は「最終上映を絶対に見ると決めていた。一生忘れられない思い出」と涙ぐんだ。

 (籔下千晶)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索