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周遊観光の拠点、期待 南条SA、地域振興施設建設

年間390万人もの利用者があり、隣接地に南越前町が地域振興の拠点に施設建設を図ろうとする北陸自動車道上りの南条サービスエリアの駐車場=南越前町牧谷で

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 年間三百九十万人にも上る北陸自動車道上り南条サービスエリア(SA)の利用者を見込み、南越前町が、国のモデル事業の採択を受けて隣接地に地域振興施設の建設を進めている。高速道路の利用者を地域資源とみた取り組みの狙いやビジョンを探った。

■道の駅

 施設はSA東側の一万平方メートルと北側のウオーターランド南条の公園部分六千平方メートルの計一万六千平方メートルで整備。期待する効果として町建設整備課の中村正直課長は「農林水産業の振興と経済活性化、観光情報発信、雇用促進」を挙げる。施設は、県内唯一で中京・関西方面に向かう北陸最後のSAの強みを活かし、土産や地場産食材の販売、地元産食材を使った飲食機能を持たせ、施設の二階部分に設けるゲートからSA利用者を呼び込む。道の駅に登録することで、一般道からも誘客を図る計画だ。

 県内全体の観光情報を幅広く扱い、子どもたちが集まれるような公園も整備する。中村課長は「施設に来れば何かがあるというイメージ。ここに立ち寄ってもらい、周遊観光の拠点にもしたい」と話す。

■モデル

 南越前町の事業は、二〇一六年六月に国土交通省の「高速道路のサービスエリア、パーキングエリアを地域の核とするためのモデル事業」に北陸で唯一、全国二十二カ所とともに採択された。二一年四月のオープンを目指し、管理予定者も決まり、今年十月末までに基本計画、来年三月までに実施計画を策定予定で、準備が着々と進んでいる。国交省近畿地方整備局道路計画第二課の中川圭正課長は「基本計画の着手など管轄する三カ所の中では、最も準備が進んでいる」と町の取り組みを評価。南条SAには一般道から北陸自動車道に出入りできるスマートインターチェンジ(IC)が整備されていることにも触れ、「スマートIC、道の駅、高速道路と国交省が受け持つ三つの設備がそろう。地域一帯の回遊性が増す効果とともに、全国のSAやパーキングエリア(PA)がある自治体が注目する施設になってほしい」と期待する。

■地元産

 施設の中でも特に力を入れるのが物販だ。岩倉光弘町長は「SAでの販売は手数料が長年の課題だった」と話し、施設整備によってSA利用客を対象とした町民の経済活動の広がりを期待する。

 町民主体で運営する物販スペース「山海里(さんかいり)エリア」を設ける予定で、ブランド力を高めた住民主体の商品を開発していけるかが鍵を握る。地元食材を使った飲食や土産品などの販売をしていく管理予定者との連携も大切になる。

 岩倉町長は「日本一の施設にするためには、いかに人を呼び込めるかが大事」と魅力ある施設運営に思いを巡らす。

◆取材後記 

 この地域振興施設を建てると初めて耳にしたとき、うまくいくのか疑問だった。しかし、年間三百九十万人の利用者と聞いたとき、こんな身近なところに地域資源が眠っていたのかと、衝撃を受けた。

 年間三百九十万人と言えば県内有数の観光スポット県立恐竜博物館(勝山市)の約四倍。SAをそんな風に見たことはなかった。

 県内では二〇二三年春の北陸新幹線開業に向けて、地域振興の新たな整備や取り組みが進んでいる。新しいことも大事だが、盲点になってるところはないだろうか。

 (山内道朗)

 

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