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<夢の高校野球ベストナイン> 最終選考詳報(下)投手編

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 本紙が県内の高校野球関係者と選ぶ「福井県・夢の高校野球ベストナイン」。昭和、平成の投手の選考でも激論が交わされ、投票結果を覆すどんでん返しも。ついに、ドリームチームの全貌が明らかになった。

 (司会は山本真喜夫・日刊県民福井報道部長、選手名は敬称略)

◆昭和 前側、下手投げで威力

 −昭和編の得票数は正津英志(大野)が一位。二、三位がともに福井商の板倉利弘と前側佳邦。古くは牧野伸(武生)、高橋里志(敦賀工)も。最も印象に残った投手は。

 県高野連元理事長・田行和好さん 前側ですね。二年秋くらいから下手投げに変わり、翌年の選抜で八強。北信越大会、明治神宮大会でも優勝した。とにかく点がとれない投手だった。

 −何がすごいのか。

 田行 アンダースローからの速球、特にインコースのシュート。選抜準優勝の板倉もアンダースローだが前側の方がはるかに上だった。

 県野球連盟元審判部長・山口隆治さん 前側は本格派で板倉は技巧派。横からの本格派はいないと言われるが前側は例外だ。

 福井商元監督・北野尚文さん 前側はもともと上手投げで福井商に入ってもノーコンだったので下手投げにした。一方、板倉も上手投げから下手投げにした。一試合で二桁近く安打されたが、走者出してから粘り強かった。

 −高橋や牧野は。

 北野 高橋は球は速かったね。

 山口 高橋は剛腕。小さいときから球が速くて学童野球では受ける捕手がいないほど。

 北野 牧野は「かみそりシュート」。身長はあまり大きくないけど。

 −票数トップの正津は初めて大野を甲子園に導いた。

 北野 大学に入って腕の振りを下げた。高校の時はプロに行くとは思わなかった。

 山口 彼が二年秋の時、当時の監督に「ちょっと見て欲しい」と言われたのが正津。体は小さくても球に切れがあった。

 −正津はスライダーの先駆けだった。他は。

 北野 泉邦雄(敦賀)は駒大で30勝挙げたのでは。小森勝行(敦賀)は県大会で完全試合をした。

 −乗替寿好(若狭)は。

 田行 コントロールが良かった。

 山口 左腕でカーブが多かった。昭和四十三年の国体優勝投手。

 −鈴木学(北陸)も好投手。この時の北陸と福井商の試合は好勝負だった。

 山口 社会人野球のオールジャパンにも一回選ばれたね。

 −高校の実績で牧野、高橋、前側に絞りたい。

 山口 前側の出現で福井県の高校が全国に通用するイメージが湧いてきた。その意味ですごく印象にある。

 田行 前側はすごかった。高橋はプロで活躍したが。

 山口 松井武雄(若狭)、牧野は残念ながら見たことがない。高校時代の成績を重視して前側でいいのでは。

◆平成 内海、カーブ鋭い切れ

 −平成編は内海哲也、選抜優勝投手の平沼翔太、福井商の横山竜士の順。内海と平沼は敦賀気比。内海は選抜優勝候補といわれたが不祥事で出場できなかった。

 田行 内海は速かった。カーブに切れがあり、すごい投手だった。

 山口 北信越大会が富山であった時、内海の投球練習を見て、相手チームも富山のファンも「こりゃ(勝ち目がない)だめだ」と言っていた。

 北野 こんな投手がいるのか。一目でこの子はプロだと思った。投げ方がいい。しなってくる。身長があるし、角度がある。

 −平沼は。

 田行 スライダーが良かった。

 山口 スライダーとストレートの出し入れが良かった。

 −横山は。

 北野 投げ方が良く、ボールの回転もよかった。一年の時、外野でバックホームさせた。ワンバウンドかなと思ったらそのまま伸びてきて驚いた。

 山口 ただ、けがに悩まされていたね。

 −内藤剛志(敦賀気比)は。

 北野 カーブが良かった。スライダー全盛の今、あのカーブを投げられたら打てないだろう。

 山口 カーブが一回浮き上がるように見えた。打者が上向いてしまった。

 −亀谷洋平(福井商)は。

 山口 控えのイメージ。エースが故障か何かで出られなくなり、亀谷が代わりに出て勝ち進んだ。

 −藤井宏海(工大福井)は小柄だが桑田真澄のような投手。話をまとめると、平成は内海か。

 一同 そうですね。

 −昭和、平成を通じてナンバーワンは。

 山口 内海。プロで最多勝を取ったし。

 北野 内海。長い間巨人のエースを務めたのは立派だ。

 −高校の時の方がフォームが豪快でしたね。

◆記者席から

 完成したベストナインを大きな画面に映すと、選考委員全員が立ち上がって腕組み。ほんの数秒だったが、三時間以上かけて作り上げた大作を誇らしげな表情で眺めた。

 選考会が終わっても、三十分以上野球談議が続いた。「本当に楽しかったよ」と山口さん。取材班が約二カ月準備して臨んだ選考会。選考委員の「野球愛」に応えることができたのかもしれない。

 (籔下千晶)

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