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山中漆器の技取り入れ、革に木目 小松の職人ら作品展

財布などの革製品(手前)を手掛けるケイ・アラブナさん=小松市西軽海町で

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 木目のような美しい模様が浮かび上がる革の財布や名刺入れ。福井市中央のカフェ「su−mu」で開かれている二人展「革のイロとカタチ」に、山中漆器や戦国時代のよろいなど日本の伝統技術に着想を得た作品が並んでいる。

 出品したのは、金沢市内などで飲食店の空間プロデュースなど手掛ける革職人ケイ・アラブナさん(30)。東京出身の日本人で、今は石川県小松市を拠点にする。九谷焼と富山のガラス工芸、新潟県燕市の刀鍛冶などをつなげ、共同製作させるプロジェクトなど幅広く取り組んでいる。

 金沢美術工芸大在学中に趣味で、革小物を作り始めた。戦国時代のよろいは補強に漆が塗られ、渋柿の液「柿渋」で染色されたと知り、卒業後に創作に取り入れた。ただ時間が経つと、漆がひび割れてしまった。

 卒業後の二〇一二年に小松市に移住。山中漆器を知り「漆の下にある木目がきれいに浮き出ていた」ことに感動し、作品作りに改めて取り入れた。古く熟成した柿渋は色が濃く、若い柿渋に重ね塗りすると、はけの跡が木目のように現れた。塗った漆を薄くする「拭き漆」という技術もヒントにした。漆をへらで革に押し込んで、染み込ませた。「染める」と、アラブナさんがたとえる独自技法で表面の「割れ」はなくなった。

 六年前、インターネット上で公開した革作品の写真がフランスのセレクトショップ経営者の目に留まり、一五年までフランスと英国の店舗で販売された実績もある。アラブナさんは今、自主ブランドを立ち上げ、革職人としても活躍する。ちょうつがいをイメージした名刺入れなど、日本建築や道具をデザインに取り入れているのが特徴だ。「日本の素材や技術を現代流にアレンジし、新たな伝統をつくる」

 展示では福井市出身で、革作品も手掛けるグラフィックデザイナー成山文子さん(大阪府吹田市)と計約五十点を出品している。二十一日まで(会期中無休)、午前十一時半〜午後九時。 

 (竹内なぎ)

 

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