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観光と連携、アクセス鍵 あわら「金津創作の森」利用者増へ

開館20周年記念のイベントが目白押しの金津創作の森。大きな節目を飛躍のきっかけとできるだろうか=2014年7月2日、あわら市宮谷で、本社ヘリ「おおづる」から

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 あわら市宮谷一帯の里山20ヘクタールを生かした「金津創作の森」が始動して20年。中核施設「アートコア」で催す企画展だけでなく、アート作品が点在する屋外の散策、吹きガラスや陶芸などの体験も楽しめるユニークな施設だ。年2回のクラフト市は市内外から大勢が訪れる人気イベントに成長した。しかし、年間利用者数は「12万〜14万人」(市教委文化学習課)とほぼ横ばい。集客の糸口を探った。

 全国自治体に各一億円を交付した竹下登内閣の「ふるさと創生事業」を機に、一九九三年度に整備が始まった。コンセプトは「人と創作活動が育てる出会いと交流の森」。教育、歴史、文化のまちづくりの充実を望む住民の声を受け、二十数億円を投じ、本格オープンを翌年に控えた九八年にガラス工房と創作工房がまず完成。以降、国内外のアーティストによる現地制作や作品展を通じて芸術・文化を発信してきた。

 地域活性化策として観光がクローズアップされる中、関係者から「もっと人を呼び込む工夫を」と集客を求める声もある。金津創作の森財団で事業・企画を担当する中嶋一裕さん(53)は、人を呼び込むポイントを「企画展次第」とみる。著名な写真家の蜷川実花展があった二〇一三年度は二十二万九千人を記録。ただ、予算や作家との兼ね合い、多彩なジャンルへの対応もあって悩ましい。

 二十周年の目玉は姉妹都市・高知県香美市の協力で開催する「やなせたかし−アンパンマンとメルヘンの世界」(七月十四日〜十月八日)。大代紀夫理事長は「子どもに特化した初の企画展。福井国体の会期中でもあり、県内外の方に来ていただきたい」と話す。このほか、記念企画がめじろ押しだ。「二〇年度までの三年間で三万人増」を目標に掲げ、情報発信も強化していく。

 「国としては、各地の文化資源の発掘や魅力発信を支援していく流れ」と指摘するのは、日本博物館協会(東京)の半田昌之専務理事。新潟県越後妻有(えちごつまり)地域や瀬戸内海の島々での国際芸術祭は、外国人誘客にも一役買っていると言い、内容次第で幅広く誘客できる。

 創作の森の二倍の規模を誇る「札幌芸術の森」(札幌市)の広報担当者は「この十年で利用者は二倍近くに増え、年間で五十万人」と明かす。かんじきでの雪中散策企画は台湾客に大人気だ。「足を運んでもらえなければ、いい企画をしても意味がない」。ホテルや観光スポットにチラシを置き、写真共有アプリ「インスタグラム」で投稿するなど、あの手この手を打っている。

◆取材後記 新幹線開業がチャンス

 すがすがしい空気の中で、現代アートを満喫できる金津創作の森。「多くの人に来てもらいたい」と感じるお薦めスポットだ。二〇二三年春の北陸新幹線延伸を見据え、あわら市では修学旅行などでの体験プログラムや新幹線駅舎内でのPRコーナー設置も検討に上がっているという。

 県や福井市は文化施設を戦略的な観光誘客に活用しようと、観光関連部局にこれら施設を集約済み。県は〇九年度から順次、県立恐竜博物館など六施設を教育委員会から観光営業部に移し、一六年度の入館者は移管前の一・七倍になった。新幹線の好機を目前に、観光との連携強化は急務だ。

 (北原愛)

 

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