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県専門委、再稼働へ了承 大飯3、4号機

 関西電力が年明けの再稼働を目指す大飯原発3、4号機(おおい町)について、有識者でつくる県原子力安全専門委員会は八日、県庁で開いた会合で「ハード、ソフト両面で改善が図られており、必要な対策は確保できている」とする報告書案を大筋で了承した。欠席した委員らの意見を聞いた上で中川英之委員長(福井大名誉教授)が最終的に取りまとめ、西川一誠知事に提出する。

 中川委員長は会合後、記者団に個人的な見解と断った上で「(事故を制圧する)工学的安全性は確保されていると思っている」と述べた。詰めの調整があるため知事への提出時期は未定としているが、専門委が関電の対策に事実上のお墨付きを与えたことで、再稼働へのハードルは西川知事の同意だけとなった。

 専門委は大飯3、4号機が新規制基準への適合を認められた今年五月以降、四回の会合と現場確認を実施。

 福島第一原発事故を踏まえた新規制基準での要求事項に加え、独自に求めた核燃料を冷やすのに必要な電源設備や事故時に備えた通信設備の多重化、訓練の充実化などを求め、取り組み状況を確認した。

 大飯原発を巡っては、原子力規制委員会の元委員から地震の揺れの想定が過小と指摘されているが、専門委は規制委の判断を追認。

 独自の検証を求めていた田島俊彦委員(県立大名誉教授)はこの日も「指摘をもっと真摯(しんし)に受け止め、見直しを検討すべきだったと思う」と苦言を呈した。

 (中崎裕)

◆傍聴席、疑問の声

 県原子力安全専門委員会を傍聴した市民からは「地震想定や住民避難の議論は不十分だ。予定調和の結論」と批判する声が聞かれた。

 「地震想定は前原子力規制委員長代理の島崎邦彦氏を呼んで、一緒に議論すべきだった」。会合後、美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会代表の小山英之さん(77)=大阪市=は憤った。

 島崎氏は昨年、大飯3、4号機を襲うと想定される地震の最大の揺れ「八五六ガル」を「過小評価」と指摘。専門委でも触れてきたものの、規制委が出した「合理性がなく、見直す必要はない」との判断を確認する作業にとどまった。住民避難計画についても、専門委は「工学的な安全性を検証する」(中川英之委員長)とのスタンスを理由にほとんど議論しなかった。

 小山さんは「福井県、滋賀県の各避難計画をみると、それぞれ同じ道路を使って逃げる箇所もある」と原発事故時の混乱を心配した。福井市の女性(61)は「議論しないといけない問題を置き去りにして再稼働に進んでいく」と表情を曇らせていた。この日の傍聴者は十一人だった。

 (尾嶋隆宏)

 

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