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「やっと親孝行できる」 ドラフト巨人1位、北陸高出身の鍬原投手

巨人から1位指名され、野球部の仲間たちから胴上げされる鍬原選手(中)=東京都八王子市の中央大多摩キャンパスで

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 二十六日に行われたプロ野球ドラフト会議で、県関係では北陸高出身の鍬原拓也投手(21)=中央大=が巨人に1位指名され、啓新高の牧丈一郎投手(18)は阪神に6位で指名を受けた。県関係選手のドラフト指名は七年連続。二人は夢に見たプロ野球選手となる喜びとともに、気持ちを引き締めた。

 鍬原投手は会場入りしてから、硬い表情のままテレビ中継に見入っていた。唇をかんだり、舌を出してみたり。最上位で名前が読み上げられると、ようやく表情がほぐれた。「やっと親孝行ができる」

 幼い頃から母子家庭。小学生の時は母親の佐代子さんに欲しいものをねだっていたが、中学生になってからはやめた。「お母さんは貯金を崩して、僕に野球をやらせてくれた」。中学三年間はずっと同じグラブを使い、ぼろぼろになっても修理に出し続けた。

 「今年は勝負の年になると思っていた」と、グラブを一月に変えた。佐代子さんへの思いを込めて、刺しゅうで「親孝行」の文字を入れた。「今も春と秋のリーグ戦は、奈良県から応援に来てくれる」。感謝の思いがあふれてくる。

 運命のドラフト会議。「もしかしたら指名されないかも、と思っていた」と吐露し、巨人からの指名に「野球を始めたきっかけは、小学生の頃に阿部慎之介選手の本塁打を見たこと。そのチームに選ばれて、うれしい」と頬を緩ませた。

 先発に対する思いは強く「注目されるし、楽しいと感じる。プロでも先発をやりたい」と話す。同時に「任されたポジションをしっかりやりたい」と、新たな世界への貪欲さもみせる。

 「やっとスタートラインに立った。これから活躍することこそが親孝行だと思う」。「感謝」の言葉を座右の銘とする二十一歳の新たな物語が、幕を開ける。

 (谷出知謙)

 <鍬原拓也(くわはら・たくや)> 岡山県出身。奈良県の中学校から北陸高校へ進学。甲子園出場はならなかったが、球威のある直球を武器に活躍した。中央大では1年生の春から主にリリーフとして登板。直球と変化球の精度を磨き、3年生の秋に先発に定着した。最速152キロの直球とキレのある変化球のコンビネーションが持ち味。177センチ、76キロ。右投げ右打ち。

 

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