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重量挙げ・木下選手、日本新161キロ えひめ国体

重量挙げ成年男子94キロ級のスナッチで161キロの日本新記録を成功しガッツポーズする木下選手=愛媛県新居浜市の新居浜市市民文化センターで

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 第七十二回国民体育大会(愛顔つなぐえひめ国体)は六日、愛媛県内などで行われ、県勢は重量挙げの成年男子94キロ級スナッチで木下竜之選手(県体育協会)が日本新記録の161キロを挙げ、初優勝を飾った。同77キロ級スナッチでは安達貴弘選手(若狭東高教員)が136キロで三位に入った。

 馬術では成年男子スピードアンドハンディネスの仁田原知毅選手(福井工大)が三位に入ったほか、成年女子馬場馬術の天谷幸枝(あまがいさちえ)選手(福井工大職員)が5位、少年標準障害飛越の上田瑠威(るい)選手(福井工大福井高)が六位に入った。

 この日から愛媛国体は後半戦。天皇杯(男女総合成績)で十位以内を目標とする福井は、六日終了時点で1052点を獲得し八位。

◆宿敵前に闘志みなぎる

 電光掲示板に重さを告げる「161キロ」がともる。騒然とした会場の雰囲気が、バーベルを握ると張り詰めた空気に変わった。大きく深呼吸。一気に挙げると、思わず笑みがこぼれた。重量挙げ成年男子94キロ級スナッチで木下竜之選手(県体育協会)が日本新記録を樹立した瞬間だった。

 二回目に155キロを成功。同郷で宿敵の山本俊樹選手(兵庫・ALSOK)が三回目に161キロを失敗し、木下選手の優勝は決まっていた。残った記録との戦いにも打ち勝った。

 山本選手とは高校時代から競い合う仲。社会人になってからは負け越し、昨年の岩手国体も敗れた。今大会は階級を上げた。山本選手と対戦しないようにするためだった。筋力トレーニングに加え、食事の量を増やして体格を大きくした。

 しかし八月に背中に痛みを覚える。国体まで一カ月。高重量での練習ができず、イメージトレーニングとフォームの確認に撤した。そんな中で、山本選手も同じ階級に出場していることを知った。「リベンジしてやる」。不安よりも、闘志がみなぎった。

 「体が軟らかく、バーベルが軽く感じた」。好調さを結果に結びつけた。ジャークは背中の痛みが再発して三回とも失敗し「実力不足です」と認めたが、「これで世界に通用できる。自分の名前を知らしめたい」。限界を知らない二十六歳が、次は世界を驚かす。

◆極限超え不屈の3位 安達選手

重量挙げ成年男子77キロ級スナッチで136キロを挙げる安達選手=愛媛県新居浜市の新居浜市市民文化センターで

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 気力、体力ともに極限だった。スナッチで136キロのバーベルを頭上に挙げたが、体が左に傾く。「絶対に抑えてやる」。執念で立て直して成功すると、右拳に力が入った。重量挙げ成年男子77キロ級でスナッチ三位、ジャーク七位の安達貴弘選手(若狭東高教員)。努力が実った瞬間だった。

 アップ時、不調に気付いた。自己ベスト(140キロ)にほど遠い120キロ台も挙げられない。地面に足が着いていないような感覚だった。本番では一回目の133キロを失敗。同じ重量で挑んだ二回目を成功させると、最後は意地を見せた。

 愛知県出身。大学卒業後はアルバイトをしながら競技を続けた。福井国体を知り、四年前に福井に来たが、教員として働く中、練習量は格段に減った。

 転機となったのは、同じ志を持った仲間との練習。兵庫県出身の木下竜之選手(県体育協会)から「限界の状態で挙げるため、高重量を数回挙げた後、攻める姿勢が大事」とアドバイスを受け、密度の高い練習を重ねた。

 得意なはずのジャークの結果には「三位に入りたかった」と下を向く。「努力していかないと」。謙虚な気持ちを、さらなる強さにつなげる。

 (谷出知謙)

 

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