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児童虐待疑いが8万人超 18年児相通告、暴言などが7割

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 警察庁は七日、二〇一八年の犯罪情勢(件数などは暫定値)を公表した。虐待を受けた疑いがあるとして児童相談所(児相)に通告した十八歳未満の子どもは前年比22・4%増の八万百四人で、統計のある〇四年以降初めて八万人を超えた。ドメスティックバイオレンス(DV)やストーカーの相談件数なども高水準。刑法犯全体の認知件数は八十一万七千四百四十五件で、戦後最少を更新した。

 児童虐待は、今年一月に千葉県野田市立小四年の栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅浴室で死亡し、両親が逮捕されるなど後を絶たない。昨年も東京都目黒区の女児=当時(5つ)=が両親から虐待を受けて死亡。「もうおねがい ゆるして」と書かれたノートが見つかった。

 通告児童数は過去五年間で約二・八倍に増加。一八年分の内訳は、暴言などの心理的虐待が五万七千三百二十六人と七割を占めた。暴力による身体的虐待が一万四千八百二十一人、ネグレクト(育児放棄)などの怠慢・拒否が七千六百九十九人、性的虐待が二百五十八人で、いずれも前年を上回った。

 DVの相談も増加傾向が続き、七万七千四百八十二件。ストーカー事件の相談は二万一千五百五十一件で、近年は二万件台で推移している。

 また、被害者と対面する形を取らないサイバー犯罪や特殊詐欺は、対策に応じて手口が変化するなど厳しい状況が続く。

 警察が確認したサイバー空間の不審なアクセスは一日平均、一IPアドレス当たり二七五二・八件と急増。五年前の約九倍で、インターネットに接続されたIoT製品が狙われた影響とみられる。特殊詐欺の認知件数は一万六千四百九十三件で前年から微減し、ニセ電話詐欺が過半数を占めた。

 刑法犯の認知件数が減ったのは窃盗事件の減少が主要因。摘発も前年を下回り三十万九千四百三十件。重要犯罪のうち、殺人や放火の摘発は減少したが、略取誘拐や強制性交が増加した。

 警察庁は、これまでテーマごとに統計を明らかにしてきたが、減少傾向の刑法犯認知件数の変化だけでは犯罪情勢を的確に捉えられないとして、今回は一括で公表した。

◆虐待摘発 10年で3倍

 刑法犯全体の認知件数が減少傾向となっている一方、この十年間で児童虐待やドメスティックバイオレンス(DV)、ストーカー事件の摘発件数が増加している。全国の警察は、これらを「人身安全関連事案」として扱い、各部門が連携して寄せられる情報を分析し、事案ごとに切迫性を見極められるよう取り組んでいる。

 昨年の児童虐待の摘発は千三百五十五件。二〇〇九年の三百八十五件から三倍超となった。「国民の意識が高まっている」(捜査関係者)ことも増加の一因で、通報が増え、家庭内などで潜在化しやすい事件を把握できるようになったという。

 DVの摘発も、〇九年は千七百五十件だったが、昨年は九千九十件と約五倍に。相談件数も年々増加している。ストーカー事件の摘発は〇九年に比べ約二・四倍となった。

◆児童虐待問題 8日に閣僚会議

 安倍晋三首相は七日午前の参院予算委員会で、千葉県野田市の小学四年女児が死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された事件を踏まえ、児童虐待防止の関係閣僚会議を八日に開催し、対策を協議すると明らかにした。公明党の山本香苗氏への答弁。閣僚会議では、虐待の可能性がある子どもの情報の取り扱いに関する新たなルールづくりや、関係機関の連携強化などを検討する考え。

 

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