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孫とラップ、幸せアップ 大津の68歳、歌詞を共作

ライブに出演する「MCでこ八」こと山田陽子さん(右)と、孫の「MC玄武」こと山田涼太さん=大津市で(山田涼太さん提供)

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 五十二歳差の祖母と高校生の孫がコンビを組んだ、異色のラップユニット「赤ちゃん婆(ばあ)ちゃん」が、大津市を拠点に活動し、人気を集めている。代表曲の映像は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で再生回数が五万回を超えた。全国各地でライブに出演し、二月には初めてCDを自主制作する予定。二人は「今は話題性が先行しているが、実力も追いつきたい」と意気込んでいる。

 コンビを組むのは、「MCでこ八」の名で活動する山田陽子さん(68)=京都市山科区=と、「MC玄武」こと高校一年生の山田涼太さん(16)=大津市石山。

 ♪昭和と平成を繋(つな)いだ音楽 “世代間”が作りだす“世界観” 唯一無二で青春は“永久” 勝っても負けても俺らは“英雄”

 新作では、二人の世代差にちなむ歌詞を織り込みながら、韻を踏んでリズム良く歌い上げる。

 ラップの歌手に憧れていた涼太さんが、二〇一七年九月に地元で即興のラップを披露するイベントに出て、活動を開始。二カ月後、その姿を見て感動した陽子さんが「おばあちゃんも、やってみようかな」とコンビ結成を持ち掛けた。快諾した涼太さんは「(陽子さんは)明るくて、ぶっ飛んでいるから、驚きはなかった」と振り返る。

 同十一月に誕生したユニット名は「涼太はいつまでも赤ちゃんのよう」という陽子さんの思いを込めた。「MCでこ八」は家族で盛り上がって、おでこに末広がりの「八」の字を書いた楽しい経験が由来。「MC玄武」は、ラップ仲間から「誰も付けていない名前。格好良い」と薦められた。

 「ビート」と呼ぶ曲の部分は知人に制作を頼むが、歌詞は二人で考える。美空ひばりの大ファンで、演歌ばかり聴いてきた陽子さんが作る歌詞を、涼太さんが修正。「分かりやすく、キャッチーな言葉にしたい」という陽子さんと、「韻や掛け言葉をもっと使いたい」という涼太さんが対立することもあるが、最終的には年配の陽子さんが「玄武がやりたいことを、やればいい」と包み込む。

 現在までに作った曲は七曲。地元で練習を重ね、月に一〜二回、遠征してライブ出演する。東京や大阪、福岡、群馬などで二十回以上をこなした。三月二十三日には浜松市で予定する。

 陽子さんは以前から、汗や唾が出ず末梢(まっしょう)神経に異常が出る難病「シェーグレン症候群」を患っていたが、ラップを始めてからは体調が上向きに。飲む薬の量も減り、医師から「ストレスを発散できるから、検査の数値も良くなっている」と言われるという。

 ♪今この歳(とし)でラップができる(中略)68歳 スーパーラップメイカー

 代表曲「天国と地獄」の歌詞には、高齢になっても音楽を楽しめる、陽子さんの喜びも込めている。

 陽子さんは「同世代の人が見に来てくれるようになり、輪が広がった。いつも、遺作のつもりで曲を作っている」と笑顔。涼太さんは「ずっと一緒にラップをやっていたい」と“相棒”の長寿を願っている。

 (柳昂介)

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ポーズを取る山田涼太さん(右)と山田陽子さん=大津市で(山田涼太さん提供)

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