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災害復旧にドローンの目 屋根瓦、土砂崩れ…被害状況を素早く把握

民家の屋根調査でドローンを飛ばす小河社長=津市久居桜が丘町で

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 全国で台風や地震の被害が相次ぐ中、小型無人機「ドローン」が活躍の場を広げている。動画や写真を撮影するカメラを搭載。小回りの利く特性をいかし、被災状況を上空から確認する。各自治体なども活用に力を入れるようになった。

 九月四日に接近した台風21号で被害が出た三重県。住宅の屋根や外壁の修理の専門会社「情熱リノベーション」(津市)には、台風接近後から二週間で、月平均の五倍近い百四十件の依頼があった。強風で屋根瓦や雨どいが飛んだといった内容が大半だった。

 カメラを搭載した四十センチ四方のドローンを駆使。二階建て家屋などの上を旋回させ、破損箇所を動画や写真で撮影した。一カ所の被害確認は早ければ十分ほどで終わった。同社は従業員わずか五人ほど。小河光司社長(35)は「ドローンがなければ、集中した依頼には応えられなかった」と話す。

 主に雨漏り修理を扱っている同社は今年二月、屋根の調査にドローンを導入。これまでは人がはしごを掛けて屋根の上に上り、目視で確認していた。ドローンは転落事故防止にもつながっているという。

 七月の西日本豪雨で被害が出た岐阜県関市では、市消防団がドローンを活用。ダムや小中学校の建物の状況などを確認した。担当者は、直接目の届かない場所を確認できるドローンが「力になっている」と話す。

 名古屋市は、水害や土砂崩れなどの際に、撮影した映像や画像を提供してもらう協定を、ドローンの管理・運用会社「エアロテック」(同市熱田区)と締結。名古屋・熱田署も同社と覚書を交わしている。愛知県岩倉市と阿久比町は、ドローン操縦の講習を開く会社「DSA」(春日井市)と協定を締結した。岐阜県警も本年度、災害活動用ドローンを初めて導入する予定だ。

 陸上自衛隊は、九月の北海道地震の被災現場で、陸自として初めてドローンを投入した。上空から、厚真ダムに土砂が流入し、二次災害の恐れが高まった状況などを把握した。ヘリも出動したが、ドローンの方が現場近くまで迫ることができた。来年度当初予算案の概算要求では、ドローン導入費として一億五千万円を計上。陸自の広報担当者は「ヘリが全体を見るタカの目なら、ドローンは虫の目。人命に関わる災害発生時の初動対応で、細かな情報を素早く収集できる」と期待する。

 (吉川翔大、写真も)

 

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