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<出発進行> えちぜん鉄道(2)

眼鏡橋に近づく電車。橋をくぐると終点の三国港駅に着く=福井県坂井市で

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◆港町支えるれんが橋

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 えちぜん鉄道三国芦原線の終点、三国港駅(福井県坂井市)。電車は到着直前、れんが造りの「眼鏡橋」をくぐる。

 国の登録有形文化財。官営の三国線として鉄道が敷かれた一九一三(大正二)年にできた。橋の上からは駅前の魚市場も見える。越前ガニの水揚げで有名だ。

 橋の上は生活道路だが、かつては港町の目抜き通りだった。江戸時代は北前船の寄港地で、米蔵や遊郭が並んだ。鉄道建設時に眼鏡橋を架けたのも、通りの分断を避けるため。橋から見下ろす駅では、船で着いた石炭が貨車に積まれた。

 海運は廃れたが、昭和三十年代には漁師の妻たちが早朝、橋の上に並んだ。港を眺め、夫の帰りを待つ光景で、地元の郷土史家木村昌弘さん(69)が覚えている。妻は魚を受け取り、箱に詰めて一番電車に乗り、内陸へ売りに行った。

 港の変遷を見続けた橋。なぜ、アーチが一つなのに「眼鏡」なのか不思議な気もするが、木村さんは「船乗りが使う単眼の遠眼鏡が由来ではないか」と唱える。港町らしい説ではある。

 (文・梶山佑、写真・田中久雄)

     ◇ 

 1回目は3日に掲載しました。

 

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