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「学校、無理」。そう思ったら 不登校経験者から君へ

中学3年のころ自殺未遂を経験した女性。今悩む子へメッセージを送る=愛知県内で(鵜飼一徳撮影)

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 十八歳以下の自殺が一年で最も多くなる夏休み明け前後、「学校に行くのがつらい」と思い悩む子どもは少なくない。親から見えないところで、どのように子どもは追い詰められていくのか。周りはどう接すればいいのか。不登校を経験した人たちは「自分のペースで楽になれることもある。無理に学校を勧めないで」と呼び掛ける。

 夏休みの終わりが近づくと、頭の中は「学校、無理」でいっぱい。布団から出られず、突然、涙があふれてくる。自室で一人、ふと「死にたい」という気持ちが湧いてきた。

 愛知県豊川市のアルバイト女性(20)が、親に隠れて自殺未遂をしたのは中学三年の今ごろだ。学校が怖くなったきっかけは、クラスメートから口をきいてもらえず「空気扱いされたこと」。一学期は我慢して通ったが、自分の居場所がない教室に戻ることを想像すると「一学期よりも二学期は長い。これ以上、もう頑張れない」と追い込まれた。

 親にも、友人にも、心の内を明かせなかった。「相談するのは恥ずかしい」と思ったからだ。二学期から不登校になり、その間に通い始めたフリースクールで指導者に悩みを聞いてもらい、次第に調子を取り戻した。「自分からつらい話はしにくい。でも悩んでいることは知ってほしい。ずっと、誰かに聞いてもらえるのを待ってました」

体験を語る水谷祐貴さん=津市の「三重シューレ」で(河北彬光撮影)

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 子どもが不登校になる原因は、いじめばかりとは限らない。同県碧南市の中学二年の少女(14)は、集団行動が苦手で今年初めから学校に足が向かなくなった。「親から無理やり車で連れて行かれるのも、つらかった」。学校を離れた今、自習しながら再び勉強を楽しめるようになった。「自分が楽に思える方法を選べば、やる気も出てくる」と前向きに話す。

 津市のフリースクール「三重シューレ」のボランティアスタッフ水谷祐貴さん(21)は学校を休みがちだった中学一年の二学期初め、親から図書室登校を勧められた。「先生と一対一だから」と車で送り迎えしてくれたが、嫌がらせをしてくるクラスメートと「顔を合わせるかもしれない」と思うだけで体が震えた。結局、耐えられず二、三日で不登校になった。

 「学校しかない、と思うからつらくなる。でも、学校が全てじゃない」。自分のペースで通えるフリースクールで元気を取り戻し、支える側になった水谷さん。同じ悩みを抱える子たちの思いが、痛いほど分かる。「死んでしまうのが一番ダメ。生きていれば、できることも増えてくるから」と言葉を送る。

 (河北彬光)

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