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共に働く環境、中小は努力 「制度は理想」悲観も

法定雇用率を大幅に上回る障害者が働く工場内=28日午後、名古屋市中川区のアルプススチールで(岡本沙樹撮影)

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 障害者雇用を巡る民間企業の対応は、規模や業種によってさまざま。大企業は安定した仕組みを持つが、中小企業からは障害者を雇えなかった際の「罰金(=納付金)」の方が安くつくとの本音も漏れる。一方で健常者と障害者が分け隔てなく働ける環境を整えた中小もある。

 大企業では、雇った障害者の数を親会社分として算入できる特例子会社の活用が目立つ。デンソー(愛知県刈谷市)は複数の子会社を通じ、二〇一七年度には法定率を上回る約六百三十人を雇用。中部電力(名古屋市)も同様で障害者雇用率は2・4%に上る。

 経営体力に余裕のない中小企業の中には対応に苦しむ所もある。愛知県内のある卸売業者は四人分の障害者雇用が足りず、毎月二十万円の「納付金」を納める。重い負担だが、「障害者を雇えばもっとお金がかかる」と管理職男性。「省庁の不正で理想が単なる理想論だったと露呈してしまったのではないか」と話す。

 こうした中でも、多くの障害者が働く中小企業がある。スチール製ロッカーなどを作るアルプススチール(名古屋市)は製造部門を中心に十三人を雇い、雇用率は7・7%。長谷川茂専務(55)は「人ありきで採用を決めてきた」といい、障害者が職場に増え「従業員同士がぎすぎすせず、優しくなった」と語る。

 リサイクル業の中西(同県豊明市)は従業員の半分に当たる三十人が障害者。三十年ほど前、大病から復帰した先代社長が社会に恩返ししたいと知的障害者を受け入れたのが始まりで、事業の成長とともに障害者も増えた。笠原尚志社長(65)は「民間企業なので採算がとれることが前提。初めからうまくいったわけではないが、根気強く訓練してほとんどの人が戦力になった」と話す。

 <障害者雇用納付金制度> 常用労働者100人超の民間企業は「法定雇用率」2・2%を達成しなかった場合、不足1人あたり月額5万円の「納付金」を、厚生労働省が所管する独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構」に支払わねばならない。

 

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