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共生社会の旗かすむ

 <解説> 障害者雇用の水増し問題で、政府に対する根深い不信感が広がっている。中央省庁ぐるみと受け取られかねない不正が長期間、放置されてきたからだ。「なぜ、気づかなかったのか」。障害者だけでなく、多くの国民が抱いている疑問だろう。

 身体障害者の雇用が義務化されたのは四十二年前。障害があるというだけで就職差別が平然と行われていた時代だ。雇用を確保するだけでなく、障害者の社会参加を促し、共生社会を実現することを目標にしている。その旗振り役である政府が、自らの不正でその機会を奪った責任は重い。

 「障害者はあてにならないことを前提にしているのではないか。差別があると思わざるを得ない」。視覚に障害のある日本障害者協議会の藤井克徳代表は今月二十一日の野党ヒアリングで、中央省庁の担当者に直接、指摘した。

 同じくヒアリングに出席した、下半身に障害のあるDPI(障害者インターナショナル)日本会議の佐藤聡事務局長は「障害者を含めて第三者委員会を設置して、実態解明を進めてほしい」と中央省庁の担当者に迫った。二人に共通しているのは、政府への不信だ。

 安倍晋三首相は二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向けて「共生社会実現を、東京大会最大のレガシー(遺産)にしたい」と表明している。

 なぜ不正が放置されてきたのかを解明し、障害者の不信を払拭(ふっしょく)できなければ、共生社会どころではない。政府への不信が社会への不信となり、障害者の社会参加を妨げることになりかねない。

 (政治部・城島建治)

 

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