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<出発進行> 四日市あすなろう鉄道(4)

「日永の追分」に立つ鳥居。後方が伊勢神宮方面=三重県四日市市追分で(小型無人機から)

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◆お伊勢参りの分岐点

 三重県四日市市の和菓子店「笹井屋」は一五五〇年創業。細長くて平たい「なが餅」で知られる。今の本店は近鉄四日市駅近くにあるが、創業から戦災で焼けるまでは約二・五キロ南西の旧東海道沿いにあった。四日市あすなろう鉄道日永駅から徒歩四分の所である。

 江戸時代は笹井屋はじめ、旅人に菓子を出す茶屋が街道に並んだ。東海道と伊勢街道が分かれる「日永の追分」が少し南にあり、休む人が多かった。伊勢に参れぬ人のために一七七四(安永三)年、遥拝(ようはい)の鳥居ができた。十返舎一九の滑稽本「東海道中膝栗毛」では付近の茶屋で、旅する弥次さんが詐欺師相手にまんじゅうの食べ比べをし、金を巻き上げられている。

 茶店は姿を消したが、今も十代目の鳥居が立つ。四日市あすなろう鉄道は弥次さんにあやかり毎年、「まんじゅう列車」を運行。地元の和菓子店の逸品を提供する。もちろん、笹井屋のなが餅も。十五代目の笹井利浩さん(56)は「街道の旅人に食べてもらった歴史を忘れずにいたい」と語る。

 (文・曽田晋太郎、写真・大橋脩人)

 

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