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一面

遅きに失した決断

<解説>

 東京電力が福島第二原発を廃炉にする方向となったのは当然のことで、むしろ決断は遅きに失したとさえ言える。

 東日本大震災で津波に襲われた後、東電は発電機能も含めて福島第二の復旧作業を進めてきた。福島県からは廃炉を求められながらも、「検討中」を繰り返してきた。だが、福島第一原発事故で、今なお数多くの福島県民に避難を強い、普通の生活を奪った東電が、再び福島県で原発を稼働させられる日が来ると考える方がおかしくないか。

 住民への損害賠償や除染がある程度進んだのは確かだが、原発事故が奪った生活基盤や地域社会が元の形に近づいたとは到底言えない。海側の浜通りでは「復興」と称し、ショッピングセンターなど箱ものが建設ラッシュ。だが、避難指示が解除された後も、住民帰還は進まない。安心して暮らせる状況にはまだないことが大きく影響している。

 福島第二は大事故を回避できたものの、外部電源が生きていたなど幸運に恵まれたことが大きい。東北地方の太平洋側は津波のリスクが非常に高い。福島第二はいずれも運転開始から三十年超。東電が再稼働を目指すとしても、新たな津波対策などに長い年月が必要となる。その間に、原則四十年間の運転制限に触れる。技術的な面からも福島第二の廃炉は当然と言える。

 (編集委員・山川剛史)

 

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