トップ > 一面 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

一面

プラに使う化合物、大腸菌使い製造 名大が新手法開発

写真

 医薬品やプラスチック、顔料などに幅広く使われている化合物「フェノール」を、大腸菌の中でつくる画期的な手法を、名古屋大物質科学国際研究センターの渡辺芳人教授(65)と大学院理学研究科の荘司長三准教授(43)らの研究チームが開発した。研究成果はドイツ化学会誌に掲載された。

 フェノールは、炭素が六角形に連なった物質「ベンゼン」を化学反応させてつくる。用途が広く世界で毎年九百万トンが生産されているが、現在の方法では高温、高圧状態が必要でエネルギー消費量が膨大な上、有害物質を排出する欠点があった。

 チームは、生物が持つ酵素の力でフェノールを生産する手法に着目。遺伝子操作で、ベンゼンを効率よく反応させる特殊な酵素を持つ大腸菌をつくった。

 この大腸菌に、反応を活性化させる特殊な物質と、エネルギー源のブドウ糖を与えることで、大腸菌の内部でベンゼンからフェノールを生成することに成功した。

 この手法は生物の力を利用しているため、常温常圧でエネルギー消費が少なく、有害物質も排出しない。生産コストを従来より抑えられる可能性があり、チームは今後、実用化を目指した研究を進める。

 荘司准教授は「細菌の持つバイオの力を利用した、環境負荷の低い製造法。持続可能な社会のために役立つ技術」と語った。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索