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工場ラインに子育て目線 トヨタ紡織グループ

幼い子どもを持つ母親が子育てと両立しながら働くことができる育児ライン=愛知県豊橋市のトヨタ紡織豊橋工場で

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 自動車内装部品大手のトヨタ紡織(愛知県刈谷市)グループが、子育て中の女性や妊婦が働きやすいよう工場のラインをカイゼン(改善)した。自分のペースで仕事ができる「育児ライン」や、座って作業する「マタニティーライン」を導入。男性目線の現場を見直すことで、離職率を抑え、人手不足時代の強みにしたい考えだ。

 自動車のドアの内張り部品を手掛ける同社豊橋工場。十数人が分業で部品を組み立てる通常のラインから離れた一角で、幼い子どもを持つ女性たちが打ち合わせや作業をしていた。昨年九月に設けた育児ラインは、全部品の組み立てと検査を一人で担う点が特徴だ。作業を自己完結型にすることで、事情に合わせて時短勤務などができる。

 流れ作業で効率性を追求する製造業のラインは、欠員が出ると全体の生産に影響してしまう。そのため、子どもが病気になっても、周りを気にして欠勤や早退をためらう女性もいる。

 育児ラインは、トヨタ自動車の高級ブランド「レクサス」の部品を生産。出荷量が限られ、比較的、納期に余裕があるため、突発的な欠勤にも対応しやすい。生産量が多い製品も少ない製品も同じラインに流すトヨタ生産方式とは逆の発想だ。三歳の娘がいる薗田磨由さん(30)は「子どもが急に熱を出すことも多いので助かる」と歓迎する。

 同社子会社でシートカバー縫製の「アラコ」(同県豊田市)は昨年、出産を控えた女性が座って作業するスペースを設けた。縫製の流れ作業では通常、従業員は次の工程に素早く渡すため、立ってミシンを動かす。負担に感じる妊婦に配慮し、ラインに流すための素材を座って縫う工程を新たにつくった。妊娠八カ月の鈴木志帆さん(24)は「一人目を妊娠した時は立ち仕事で体調を崩してしまったが、今は楽に作業ができ、長く働ける」と話す。

 トヨタ紡織の生産現場の女性比率は14%で、二十五〜四十四歳の女性の離職率は男性の三倍に上る。縫製などの関連会社はさらに女性の割合が高い。人手不足の深刻化を見据え、二〇一六年十月に女性や高齢者、障害者らの職場改革プロジェクトを立ち上げた。同社技能系人事室の小栗知之室長は「事務系に比べて、生産現場は柔軟な働き方への対応が遅れている。大掛かりな改善ではなく、女性たちの目線に立った発想の転換で、誰もが働きやすい職場にしていきたい」と話す。

 (鈴木龍司)

 

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