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快適オフィス公開、半世紀 コクヨ、働き方改革で見学急増

自社オフィスを公開しているコクヨ。中央にカウンター席のカフェ空間が設けられている=名古屋・名駅のJPタワー名古屋で(松田雄亮撮影)

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 官民を挙げた働き方改革が進む中、事務用品最大手コクヨ(大阪市)の自社オフィスを公開する取り組みが注目を集めている。半世紀前から自社を“実験台”に働きやすい職場を提案。社員の効率的な働き方や生産性の向上につなげたいと、最近、見学者が急増している。販売子会社の名古屋オフィス(名古屋市)でその一端をのぞいた。

 名駅・JPタワー名古屋三十六階にあるコクヨマーケティング名古屋オフィス。幾つもの机が並ぶフロア中央に、オフィス目玉のカフェ空間が広がる。社員の休憩用でもあるが「ここでミーティングや会議をよくします」と花木睦(あつし)中部支社長は話す。

 オープンスペースながら会議ができるのは、天井裏にスピーカーがあるため。空調音に近い音が特定の空間に流れて遮音効果を発揮し、仕切りのないカフェ空間でも周りの声が気にならない。壁で仕切られた会議室は一つしかなく、花木支社長は「どんな仕事が社内で進んでいるか社員が自然と情報を得られる」と説明する。他にも、固定席をなくして自由な場所で執務のできる「フリーアドレス」や、防音材に囲まれた集中スペースといった工夫を凝らした部分のほか、収納棚の中まで隠さず見せる。

 自社を丸ごと公開する取り組みは一九六九年から。当時認知度が低かったオフィス家具の販売増につなげようと始めた。「あすのビジネスシステムを考える生きた実験ビル」と銘打ち、大阪の本社ビルでデスクやキャビネットの配置法から、デスク内の整理の仕方まですべて公開した。

 ただ、時代は高度経済成長期の真っただ中。社員の働きやすい環境づくりに今ほど関心はなく、あまり注目されなかった。それでも、その時々の最先端の職場を紹介しつつ、公開を続けてきた。

 変化が見えてきたのは、働き方改革の議論が高まったここ数年。名古屋オフィスでは東海三県を中心に企業からの見学が増加。二〇一七年一月からの半年間では前年より六倍近い千四百人が訪れた。オフィスづくりの相談も二割増えた。花木支社長は「働き方改革の周知で取り組みが知られるようになった。自分たちの職場を実験台にしているからこそ有益なアドバイスができる」と話している。

 見学は事前予約が必要。問い合わせは名古屋オフィス=電052(308)5671=まで。

 (酒井博章)

休憩場所にあるゆりかごのような椅子=名古屋・名駅のJPタワー名古屋で(松田雄亮撮影)

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