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スマホでクレーンゲーム 倉庫に数十台、自宅から遠隔操作

クレーンゲームが並ぶ倉庫。クレーンの動く音や電子音が響く中、スタッフは景品の回収や機材の調整に追われていた=広島市で

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スマートフォンで操作した通りに、実物のクレーンが動く

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 「UFOキャッチャー」などの愛称で知られるクレーンゲーム機が何十台と集められ、人もいないのに勝手に動く−。そんな話を聞いて年の瀬の広島市内の倉庫(住所は非公表)を訪ねると、所狭しとゲーム機が並ぶ異様な光景が視界に飛び込んできた。

 クレーンが突然、目の前で動き始めた。モーター音を響かせながら左へ、そして奥へと進んでいったん停止。アームを開き「レアもの」のフィギュアが入った箱をぐいとつかむ。しかし残念、箱はこぼれ落ちた。「もう一回」と悔しがる声はない。それでも、定位置に戻ったクレーンは再びフィギュアめがけて滑りだした。

 ここはゲーム大手のセガグループが所有する倉庫。利用客がスマートフォン(スマホ)やパソコンでクレーンを遠隔操作し、景品を自宅に配送してもらえる「オンラインクレーンゲーム」の拠点だ。五十台(クレーン数は百)のゲーム機が薄暗い空間に光を放っていた。モーター音が聞こえるのは、ゲームセンターにつきものの派手な音楽の喧噪(けんそう)がないからだ。

 各ゲーム機にはそれぞれカメラが二台据え付けてあり、映像を全国の登録会員のスマホ画面などに配信。プレーヤーはインターネット経由で操作する。プレー一回ごとに、事前に購入したポイントで百数十円程度の料金がかかる。景品の送料は基本無料だ。

 二十四時間営業のため、常に五人以上が交代で待機。スタッフは獲得した景品の回収に歩き回る。一日に二百〜三百個を発送するという景品の箱詰め作業にも追われていた。

 倉庫の「店主」森谷拓也さん(30)は「ピークは午後十時から深夜一時。仕事から帰宅し、寝る前に遊ぶのでは」と想像する。こうしたサービスはこの四〜五年間で約二十社が参入し、今秋からセガやタイトー、ナムコなどゲームセンター大手が名乗りを上げた。タイトーの広報担当者は「他人に見られず冷静にプレーできるのもいい」と話す。

 町のゲームセンター側はどうとらえているのか。一店舗あたりの設置台数で世界最多という約三百五十台のクレーンゲーム機がそろう「エブリデイ行田店」(埼玉県行田市)広報の緑川裕一さん(33)は「三十年前に約二万五千店あったゲームセンターは今、五千店未満に減り、身近でなくなりつつある。一方で、通信販売などネットを介した消費行動に抵抗がなくなってきたことが大きい」と時代の変化を指摘した。

 (妹尾聡太)

 <クレーンゲーム機> クレーンでぬいぐるみなどの景品をつかむ業務用ゲーム機の一種。最近のクレーンゲーム市場は1800億円規模とみられる。1920年代に広まった菓子を取る機械を前身とし、60年代から多様な種類が発展。セガの「UFOキャッチャー」は85年に登場した。操作が単純ながら、奥が深いことから人気を呼び、ゲームセンターの売り上げの40〜50%を占めるという。オンライン形式とは関係ないが、クレーンゲーム機を巡っては今月、大阪市内のゲームセンターで景品が取れないように設定し客から料金をだまし取ったとして、センター運営会社の社長らが詐欺容疑で逮捕されている。

 

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