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内定辞退が最多64% 人手不足深刻、売り手市場

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 就職活動で企業の内定を得た二〇一八年春卒業予定の大学生のうち、内定を辞退した割合を示す「内定辞退率」が十月時点で64・6%となったことが、就職情報サイトを運営するリクルートキャリアの調査で分かった。同社が集計したこの六年間で最も高い。人手不足を背景に学生は売り手市場で就職先の選択肢が拡大する一方、企業は特に中小の新卒確保が一段と厳しくなっている。

 辞退率は、内定を得た学生のうち、企業に辞退を申し出た割合。不況で採用が減ると下がる一方、景気が改善すると求人は増え、辞退率は上がる傾向にある。

 調査は十月二〜六日にインターネットで実施し、千五百二十九人が回答した。十月一日時点の内定辞退は、同時期比で一七年卒(60・8%)より3・8ポイント、一六年卒(62・7%)より1・9ポイント高い。リーマン・ショックによる採用抑制に改善の兆しが出た一三年卒は45・9%で、その後はほぼ毎年、上昇が続いた。

 リクルートキャリアは「企業が例年より内定を多めに出した結果、二社以上から内定を得た学生が増え、辞退率が上がった」と分析。複数の内定を得た人が企業を絞ったり、一社だけの人が入社を望まず内定を断って就活を続けたりして起きたとみられる。

 新卒一人当たりの求人数を示す求人倍率は、リクルートワークス研究所によると、一三年卒の一・二七倍から一八年卒の一・七八倍に上昇。今年の場合、主要企業の面接が解禁された六月時点の辞退率は昨年や一昨年を大きく上回り、例年よりも早い時期に辞退者が相次いだ。企業が新卒確保を急ぎ面接などを前倒ししたことが影響した。内定を得た学生の割合を示す就職内定率は、十月一日時点で92・1%で、前年同時期より1・5ポイント高い。

◆中小にしわ寄せ 返事保留も

 学生に有利な売り手市場の影響を受け、新卒採用で人手確保に苦慮する企業は多い。特に中小企業は、学生に根強い大手志向のあおりを受け、辞退を見越して多めに内定を出しても採用の見通しが立たない。来年四月の入社式直前まで学生からの返事を待つ企業もあり、採用活動は厳しさを増している。

 「目標通り採用できるか不透明だ。ぎりぎりまで採用活動は続けざるを得ない」

 十月下旬、東京都内で開かれた合同企業説明会に参加した製造業向け人材派遣会社。業績拡大を目指し、新卒採用は今春の約八十人から二・五倍の二百人を目指す。だが十月時点で入社が決まったのは約百人と目標の半分にとどまる。

 製造業ではベテランの退職が続き、若手の技術職は引っ張りだこだ。この会社は中途採用で人材確保を目指したが苦戦が続き、狙いを新卒に切り替えた。内定辞退は約三十人。人事担当者は「辞退の数は予想の範囲内だが、そもそも関心を持って話を聞きに来る学生が少ない。学生と会えなければ内定を出すこともできない」とぼやいた。

 五十人の採用を目指す埼玉県のアミューズメント会社は、百三十人ほどに内定を出したが、七割以上が辞退した。ほかの業種と並行して受ける学生が多く「他社の内定を得たら、うちの優先順位が下がるのは織り込み済みだ」(人事担当者)。

 「年明け以降も採用活動は続ける」とする企業は多い。関東地方の運送会社は約百人に内定を出したが四十人近くに断られ、残ったうち四十人ほどが返事を保留中だ。人事担当者は「返事がぎりぎりでも入社の可能性があるなら待つ。すぐ断られるより保留してくれる方が期待を持てる」と話した。

◆内定の出し方見直しも

 <文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所の平野恵子主任研究員の話> 今年の採用活動は企業間の差がはっきり表れた。内定辞退が少なく予定以上に新卒を確保した企業がある一方で辞退が相次いだため採用活動を続ける企業も多い。二〇一九年卒採用は学生の売り手市場が続くとみられるが、大手を中心に内定の数やタイミングを慎重に判断することが予想される。

 

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