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高齢者運転、ロボ気配り 豊田高専生がシステム開発

会話型ロボットで高齢者らに安全運転を促すシステムを開発した豊田高専の学生たち=愛知県豊田市で

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 「僕らの技術で、悲しい事故を一件でも減らしたい」−。愛知県豊田市の豊田工業高等専門学校の学生が、会話型のロボットで運転中の高齢者らに注意を促し、急ブレーキなど事故の兆候となるデータを家族に無料通信アプリのLINE(ライン)で知らせるシステムを開発した。優しい口調で語り掛けてくれる「気配り」などが評価され、来年三月に開催される起業家甲子園への出場も決まった。

 開発チームの中心はシステムエンジニアなどを志している情報工学科の一〜三年生の五人。メンバーの一人が数年前、逆走する高齢者の車と衝突する事故に遭い、二月から対策に有効なシステムの開発を始めた。

 学生は豊田署を訪れ、事故の傾向を調査。認識力が低下した高齢者の事故が多く、スマートフォンに気を取られた脇見運転も問題になっていることを知った。

 メンバーは、会話型ロボットでの注意喚起が有効と考え、手のひらサイズで電話機能を備えたシャープ製の「ロボホン」に、独自のソフトウエアを組み込む方法を採用。授業後や、自宅で、分担しながらプログラミング作りに取り組んだ。

 半年かけて開発したソフトを入れたロボットは、車のシガーソケットに差して使用する。エンジンを始動すると、「今日は何曜日?」などと質問し、認知症の疑いがないかチェック。

 曜日を間違えると「教えてくれてありがとう…。でも、本当にそうだったかな? 家族に相談して確認してみてね」と返答。さらに間違いが一定数を超えると「最近、間違いが多いよ。家族と免許返納について話し合ってみるのもいいかもね」と優しい口調で促す。

 顔認証システムで脇見運転を注意し、夜間はハイビームへの切り替えも音声で呼び掛ける。

 高齢者の運転状況を家族に把握してもらうため、センサーで検知した急ブレーキや急発進の記録をデータ化し、ラインで確認できる仕組みを構築。走行経路もチェックでき、徘徊(はいかい)の防止や発見に役立てる。

 システムは十月上旬、山口県内で開催された全国高専プログラミングコンテストに出品。若手起業家らがビジネスプランを競い合う場として国立研究開発法人・情報通信研究機構(東京)が開催する起業家甲子園の出場権を同校で初めて獲得し、会話機能の強化に励む。

 リーダーで三年の笹本康太さん(18)=名古屋市昭和区=は「車の街の豊田市でも事故が多く、地元の学校の自分たちにできることはないかを考えた」と説明。「仲間と苦労して作ったシステムを将来、一般の人に使ってもらえたらうれしい」と話している。

 (鈴木龍司)

 

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