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<県境ものがたり> 白山(5)

森で拾い集めたスギの小枝から、マッチ1本で火をおこすたき火に挑戦する家族連れ=岐阜県白川村で

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◆人と自然の共生体験

 リーン、リーン。虫の音が響く真っ暗闇の森。親子で拾ったスギの小枝を組み、マッチを擦ってみる。

 あったかいオレンジ色の炎に、皆の笑みがこぼれるのはどうしてだろう。都会では味わえない、ささやかな幸せのひととき。

 岐阜県白川村の馬狩(まがり)地区にあるトヨタ白川郷自然学校。トレッキングやキャンプ、釣りやたき火…。白山(二、七〇二メートル)の北麓に広がる生態系豊かな自然の中、多彩な体験ができる。

 かつて合掌家屋が並んだ同地区は、高度経済成長期に住民らが離村。トヨタ自動車が保養地として購入後、二〇〇五年にNPOが運営する同校が生まれた。

 学校長の山田俊行さん(46)は設立に尽力した一人。大阪大で教育心理学を学び、人の心の健康について突き詰めるように。思い描いたのは自然と共生し、その恵みや営みを身近に感じる社会だった。森と人をつなぐ仕事をしたい、と同県高山市で家具職人になった。

 今は岐阜や石川、福井、富山県といった「環白山」の仲間たちと、自然保護などの活動にも携わる。「白山に県境はないのです」

 山麓はまもなく、胸弾む紅葉と実りの季節を迎える。

 (写真・泉竜太郎、文・岡本真穂)

 「白山」編は今回で終わり、次回は「東濃・瀬戸」編です。

 

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