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御嶽、噴煙今も あす噴火から3年

◆谷に緑 山荘撤去進む 上空ルポ

御嶽頂上山荘などの取り壊しが進む山頂付近。御嶽神社頂上奥社の建物はすでに撤去された=20日、長野・岐阜県境で、本社ヘリ「あさづる」から(野村和宏撮影)

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 死者五十八人、行方不明者五人を出した二〇一四年の御嶽(おんたけ)山(三、〇六七メートル、長野、岐阜県境)の噴火は、二十七日で発生から三年。今月中旬、山頂付近をヘリで飛ぶと、今も白い噴煙が立ち上り、火山灰が残って白っぽいままだが、噴火直後に比べると茶色い山肌や岩があらわになっていた。

 三十人以上が亡くなった山頂付近では、御嶽神社頂上奥社の建物が撤去されていた。その下にある御嶽頂上山荘の屋根は、大きな穴が開いたまま。周りに足場が組まれ、取り壊し作業が進んでいた。谷筋は木々の緑色が目立ち、三年の歳月を物語る。

 だがヘリの窓を開けると、激しい硫黄臭が鼻を突いた。噴火警戒レベルは、八月二十一日に火口周辺への立ち入りを規制する「2」から、活火山であることに留意する「1」に引き下げられたが、今も活発な火山だと強く意識した。

 (渡辺陽太郎)

火山灰で埋め尽くされていた御嶽山の斜面には木々が見える=20日、長野・岐阜県境で、本社ヘリ「あさづる」から(野村和宏撮影)

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◆遺族ら追悼登山

王滝口9合目の避難小屋を訪れ、献花する遺族=26日、長野県王滝村で

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 噴火犠牲者の遺族らは二十六日午前、長野県王滝村から追悼登山した。

 「お姉ちゃんが待ってるから行かないと」。噴火で娘を失ったという年配の女性は夫と山を訪れ、花束を手に歩んだ。夫婦は噴火後は毎月、山の麓を訪れており、「子どものことを考えない日はない」。息を切らし、何度も立ち止まって休憩。九合目付近の登山道で噴火時刻の午前十一時五十二分を迎えると、かすかな噴煙を上げる頂上に向かって手を合わせた。女性は「私たちが死んで、やっと『あの世で会えたね』となるんだろうね」とつぶやいた。

 登山道の入り口では、長野県安曇野市の高校教諭、穂苅稔さん(60)が手を合わせた。御嶽山には噴火の一週間前に友人と登山。山頂付近の噴煙に「大丈夫か」と不安になった経験から、犠牲者が他人に思えなかった。今回は初の慰霊登山。「自然は美しいが、恐ろしくもある」。思いを抱きながら一歩一歩進んだ。

 遺族や不明者家族でつくる「山びこの会」は二十六日午後、王滝村の七合目登山口で慰霊祭を開き、失われた命に哀悼の祈りをささげる。二十七日には王滝村で慰霊碑の除幕と追悼式が開かれる。

 

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